Chicago Blog

国内唯一の無可動実銃と古式銃の専門店。
スタッフの日記や元フランス外人部隊兵の声、新入荷の情報などの各種おしらせ、在庫状況など、リアルタイムにお知らせします。

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2017.02.27 Monday

ヨーロッパ出張の〆はロンドン・ツアー!

まいど! アルバイトS君と9日間のヨーロッパ出張から戻ってからもバタバタとしているシカゴ社長でございます!!


ありがたい事に帰国後すぐにお客様から無可動実銃と古式銃のコレクション合計43丁の買取りのご依頼が!!  丁度長野倉庫に来ていた時にお電話を頂き比較的近いご住所でしたので、その日の夜にお伺いさせていただきました。 夜遅くまで誠にありがとうございました。


東京店に小銃、短機関銃などの比較的小さい品が22丁が届いております。 昨日から全スタッフ動員でHPアップを進めておりますので是非HPをご覧くださいませ。

本日から元外人部隊とスタッフ・キートン氏がドイツのEnforce TACショーとIWAショー(+オーストリア倉庫)のためにヨーロッパ出張に出掛けたのでスタッフ全員とは言えませんが…、残りのスタッフで善処いたします。


さて先の出張はアルバイトS君が毎日ブログを書いてくれたので全容は皆様もご存知とは思いますが、私自身がブログを書かなければ「出張を丸ごと忘れてしまう可能性」があるのでチョット記憶に残った事をまとめてみました。

 


日本からのヨーロッパへの玄関口フランクフルトから陸路(鉄道または車)でオーストリアへ行くのはドイツとの国境の街ザルツブルクまでが精一杯。 オーストリアのイタリア(スロベニア)側にあるシカゴ物流倉庫に行くにはオーストリアを縦断しなければなりません。 やはり今回のようにクラーゲンフルトまでバスで二時間の距離にあるグラーツに飛行機で飛ぶのが一番効率が良いみたいです。


グラーツに「Landeszeughaus」という中世の武器庫があるのは知りませんでした、こんなに甲冑のポスターがそこら中にあるのに…。 シカゴでも18-19世紀の古式銃を扱っていますが、Landeszeughausではさらに時代が上がったフリントロックが主な収蔵品です。 次回は乗り換えだけの街ではなく1日ゆっくりと出来るようにスケジュールを組みたいと思います。 Landeszeughausより目立っていたのはスキー・ラビット、オーストリアと言えば冬はスキーですね!昔はシカゴ・スタッフとオーストリアでスキーをしたな…(遠い目…)


お客様からリクエストがあったヒスパノ-スイザ HS.404 20mm 機関砲! 

 

このオーストリア物流倉庫に連合軍の機載用機関銃が各種ありました。 この後に行った大英戦争博物館にあったランカスター重爆撃機の前部銃座にあった品と同じ.303口径のブローニングもありました。 1丁約30万円(予価、税別)で入手可能です。 ←明日、元外人部隊とスタッフ・キートン氏がオーストリアに行きますので選んできます、もし希望があればの話ですが…。


軽巡洋艦ベルファストは約40年前に行って以来…、全く覚えていませんでした。
 


ロンドン塔は1-2回は行ったような…。こちらメインの建物ではありませんが展示品はシカゴ関係の品が多かったです。

 

大英戦争博物館にあったアブロ・ランカスター重爆撃機の機首。 前部上方銃座にはブローニング .303口径機関銃が装備されています。

最終日一日前はS君のリクエストに答えてロンドン・ツアーとなりました。 朝7時に夜行寝台車でロンドンに着いてからキングス・クロス駅の9と3/4番線を見に…、映画でホグワーツの学生たちが9番線と10番線の間にある壁にカートを押して消えていくという場面があったそうです。 それなので9と3/4番線。 そしてロンドン塔に行ってから軽巡洋艦ベルファスト、大英戦争博物館、そしてロンドンはシカゴ社長定番のチャイナ・タウンへ! 非常に濃い一日でした!!

 


S君もシカゴに入って早5年、オーストリアの倉庫でも英国の工場でも日頃の経験を活かし頑張ってくれました。 過労気味のシカゴ社長はしんどい思いもせず、病状も悪化せず無事に帰国できたのはありがたい事です。

今シカゴに必要なのは、私に代わって出張に行ける人材。 19歳で入社した青年がフルタイムのパート社員として自分夢を追いながらシカゴで立派に戦力(何でも出来るようになって、社長以上の技術を持つまでも…)になってくれています。 そして自分からシカゴの海外の様子を知りたいと思う熱心さにはありがたく思いました。 

 

では明日からの元外人部隊とスタッフ・キートン氏の出張ブログをお楽しみに!

 

 

本日のワンポイント情報!!

出張買取りで、無可動実銃と古式銃のコレクション合計43丁が入荷致しました。 第一便で小銃、短機関銃等の比較的小型の22丁が東京店に届きました。

順次HPアップしておりますので、どうぞご覧ください。

 

東京店に届いています品の内訳は下記の通りです。

三八式歩兵銃、九九式短小銃 後期型、ヘンリー M1860 ライフル (Uberti社製復刻品)、M1 ガーランド、モーゼル スタンダード 短小銃、MP40I 短機関銃 (bnz42)、SMLE 1 MkIII* 小銃、ステンMKII 短機関銃、ステンMkIII 短機関銃、スターリング Mk4 短機関銃、Stgw.57 自動小銃、ポルトガル Gew.3A3自動小銃 (FMP製)、モシンナガン M1891/30 歩兵銃、PPSh41 短機関銃、ポーランド PPS43 短機関銃、ホッチキス ユニバーサル 短機関銃、Vz.26 短機関銃、ユーゴ M56 短機関銃、オーストラリア FAL L1A1自動小銃、UZI 短機関銃、オランダ M1842 管打式歩兵銃 (登録証付古式銃)
 


 


2017.02.26 Sunday

茗荷、梵字入りヤーゲル銃前編

皆様こんばんは、先日某コンビニでセルフコーヒーを注文した際にラージ【large】とレギュラー【regular】のボタンを間違えてしまい、ラージカップの半分しか入っていないホットコーヒーの前に咽び泣いたナベでございます(ラージ?レギュラー?ここは日本だ!大小や甲乙と表記すべし!!)。

 

・・・未だ文明開化していないナベの愚痴は置いときまして本日はこちら「和製管打式 ヤーゲル銃」のご紹介でございます。

 

このヤーゲル銃には白磨きの美しい銃身や丁寧な真鍮部品、面白いギミックなど特筆すべき点が多々あるのですが今回はこのグリップ部上部に大きく丁寧に彫られた梵字や裏に彫られた家紋についてフォーカスしてみたいと思います。 まずこの梵字(梵字とはシッダマートリカーという文字が仏教と一緒に大陸を経由して日本に伝わった文字・・・だそうです。)・・・

DSCN6995.jpg

 

文字の意味合いは吾我といった感じらしく、おそらく己を捨てよという意味を込めたのかもしれません(多分)。マとかマウと発音する・・・そうです。

 

また裏には家紋がこれまたキレイに彫られています。一瞬ぱっと見たとき・・・

DSCN6997.jpg

 

こちらの伊達家の家紋の家紋と思ったのですがシゲシゲと見て見ると全然形状が全く違いますね(仙台笹の目つきの悪いスズメが可愛い)。

 

正しくはこちら「丸に抱き茗荷」です。茗荷が冥加に通じることから神仏のご加護を得られる非常に縁起が良いとされている家紋だそうです。 これらは藤原さんの家紋としても多く使われているそうです。

 

梵字や家紋の他には皆様ご存知の壬申刻印も入っています。 2回調査したのか?縦に線が入って修正された刻印の横に「壬申三千五百七番香川縣」の壬申刻印が入っています。 纏めて推察するに、このヤーゲル銃を持っていた人物は明治初頭香川県に住んでいて(たぶん)で信心深い上に仏教に詳しく(たぶん)己に厳しい(たぶん)藤原さん(たぶん)だったのかも知れませんね。 次回の後編はこのヤーゲル銃自体をフォーカスしてみたいと思います、ではまた、ごきげんよう!

DSCN6999.jpg

 

大阪店在庫の御利益がありそうな和製管打式 ヤーゲル銃 (銃砲刀剣類登録証付古式銃)はこちら

 

本日のワンポイント情報!!

買取りで、M1 ガーランド ライフル が東京店に入荷致しました。

HP・詳細画像ともにアップしておりますので、どうぞご覧ください。


M1 ガーランド ライフル のHPはこちら

M1 ガーランド ライフル の詳細画像はこちら

 


2017.02.25 Saturday

シンプルにメカが凄い!

こんにちは、寒い日が続きますね。自転車に乗ると手足がキンキンに冷えて難儀しておるのですが、駐輪場いつも出会う、まるで対爆スーツのように着膨れた原付のおばちゃんに明るく挨拶されると、こっちも負けてられねぇな!と、朝から気合を入れているキヨミズです。

最近続けております、チェコスロバキアの銃器シリーズ。
今回は昨年、お買取で入ってまいりました、
Vz.52/57 軽機関銃 です。
01.jpg
例によって僕自身の備忘録を兼ねて、採用経緯を簡単にまとめてみますと、
戦後チェコはドイツの7.92mmクルツ弾を参考に開発した7.62x45mm弾を使用する小火器開発をスタート。1952年に、Vz.52自動小銃(チェコ語 Pu?ka vz. 52)と、Vz.52軽機関銃(7,62mm lehky kulomet vz. 52)として採用します。
1957年、東側の標準小火器用弾薬として7.62x39mm弾が導入されると、Vz.52自動小銃はVz.52/57自動小銃として、Vz.52軽機関銃はVz.52/57軽機関銃へと弾薬変更の改修を受け、再採用されます。
(余談ですが、vz52とWebで検索すると、ピストルのVz.52(Pistole vz. 52)も混ざってチェコのこの時期の銃はあぁもうややこしい!・・・となっちゃいますので、LMGとかrifleと銃種を付け加えて入力しないとダメですね。採用年度=型式ですから一式然り、M4然り、当り前ですね・・・)


02.jpg
上面装填の弾倉から見て取れますように、同国が生んだ傑作軽機 ZB26の発展型として開発されました。
設計要求にZB26に比しての重量削減があり、使用弾薬の小型化に伴い小型・軽量な設計に成功。箱型マガジンに加え、部品変更の必要の無いベルト給弾による持続射撃能力の大幅向上を果たしており、これらの大きな特徴の他、チェコらしい見事な工夫が随所に見られます。


バレル・グループはZB軽機の特徴をそのまま受け継いでおります。
バレル長は約580mm。フラッシュ・サプレッサーとフロントサイトは取り外し可能。
03.jpg
キャリングハンドルは固定式で画像の位置より動きません。
堅牢さは増していると思われますが、個人的には先代やブレンのように可変する機構が無くなって少々寂しく感じてしまいます。動くだけに損耗も激しかったのでしょうね。


この辺りの構成も似ております。ただ、バレル・ナットのレバーは省かれており、迅速なバレル交換は出来ない設計に改められています(必要性が低下したので廃止?)
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二脚は展開時は少し前方に開き安定性を確保。収納は前方には畳めず、画像のような後方のみとなります。


非常に特徴的な給弾システム。
上方より25連マガジンを装着します(ちなみにVz.58自動小銃とは互換性無し)
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画像手前に見えておりますレバー。
この状態ではフィード・ポート・カバーの役目を果たしております。



ベルト給弾に切り替えるには、マガジンを外し、このレバーを
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セッィ!っと跳ね上げ、右側からアモ・ベルトをセット。これだけで完了!素晴らしい!


 

 

右側のフィード・ランプ下方には50連アモ・ボックスを装着可能 (本商品には付属しません)
ベルトは左側に流れ、薬莢はレシーバー下方より排莢されます。
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面白い事に、発射速度がベルト給弾時は約900発/分、ボックスマガジン給弾時は約1150/発と可変するシステムです。マガジン射撃時は特にショート・バーストを多用する想定だったようで、発射速度を速め、命中精度を高めています。

反対側にはオフセットされたリアサイト。歯車が剥き出しになっているのかと見間違うぐらい、大型のノブ。特にエレベーション・ノブは長さもあり、とっさの調整にも掴み易い形状です。
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これまた特徴が盛り込まれたグリップ部。
保持する箇所でセミ/フルを撃ち分けるトリガーはMG34から、グリップ全体の形状はFG42後期型を参考にしたとされています。
09.jpg
握るのは一緒だから纏めてしまおう!という単純な発想が意外と正解かもしれません。Vz.37機関銃で既に採用されていた、グリップを兼ねたコッキング・ハンドルの機構を備えています。
(作動方法はケンさんが詳しく解説されているので、そちらをご参照下さい


ブルーノ製らしい非常にしっかりとした木製ストック。
ZBやブレンに比べ、金具類が少なくなり、シンプルな形状をしております。
10.jpg
ショルダーサポートはバットプレート兼用型に改められました。
独立したパーツとするよりもコスト的、応力的にも適っているのでしょう。


最後にVz.52/57を中心に、在庫品のお手入れを兼ねて、

チェコスロバキア製小火器の集合写真を一枚!
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>近々東京店に移動予定 Vz.52/57 軽機関銃 はこちら

>ZB26 軽機関銃 はこちら

>ZB30J 軽機関銃 はこちら

>Vz.58 自動小銃 はこちら

>Vz.26 短機関銃 はこちら

>Vz.61 スコーピオン 短機関銃 はこちら

 

 

本日のワンポイント情報!!

買取りで、九九式短小銃 中期型 が東京店に入荷致しました。

お客様にご連絡中ですが、HP・詳細画像ともにアップしておりますので、どうぞご覧ください。


九九式短小銃 中期型 のHPはこちら

九九式短小銃 中期型 の詳細画像はこちら


2017.02.24 Friday

B&T社製 特殊スナイパー・ライフル!!

皆様こんばんは、昨日に引き続きキートンです。
さて、昨日のスナイドル銃から一転して、本日は将来的にシカゴに入荷するかもしれない(?)、非常に現代的な狙撃銃のご紹介です。

 

現在シカゴではスイスのB&T (ブルッガー&トーメ)社が開発した、二種類の狙撃銃
・B&T APR 狙撃銃
・B&T SPR300 消音狙撃銃

を入手できる可能性があるそうです。

B&T社と言えば、近年ステアーTMP短機関銃の製造権をステアー社から買い受け、独自に改良を施したMP9と呼ばれる短機関銃を製造している事で知られていますが、上記のような精密狙撃銃もラインナップしています。

 

APR狙撃銃は、B&T社が製造するロング・レンジ・スナイパー・ライフルで、元々はフランスのPGM社の協力の下開発されたそうです。


(画像はB&T社の公式HPより)

 

そういえばどことなくデザインもPGM社製の狙撃銃 (ウルティマラティオやPGM 338) に通じるものがありますね。
APR狙撃銃は、一般的な.308弾仕様がAPR308、.338ラプア・マグナム弾を使用するタイプがAPR338と呼ばれます。 対人時の有効射程はAPR308で800m、APR338では1,300mに及ぶそうです。
ストックは折り畳み式となっており、スコープを取り付けた状態でキャリング・バッグに収納可能なのも特徴です。
尚、.308仕様のAPR308狙撃銃は現在シンガポール陸軍に制式採用されているそうです。

 

もう一方のSPR300はサイレンサーが内蔵されており、特殊な.300 ウィスパー/ブラックアウト弾を使用し、高い消音効果を誇る消音狙撃銃です。

(画像はB&T社の公式HPより)

 

サイレンサー部分は捻じ込み式で簡単に本体から取り外せる構造となっています。 元々サイレンサー・メーカーだったB&Tの製品だけあって、消音へのこだわりは並々ならぬものを感じます。
有効射程は220gr弾頭使用時で125m、125gr弾頭使用時では300mとの事で、狙撃銃としては比較的控え目な数値ですが、都市部での消音狙撃を目的に開発されているとの事で、射程も必要にして十分といった所でしょうか。
こちらのSPR300もAPR狙撃銃と同様に、分解してキャリング・バッグにコンパクトに収納する事も可能のようです。

 

因みにこれらの狙撃銃は、2009年9月の月刊Gunの床井雅美先生によるB&Tの特集記事にも掲載されております。

こちらの記事ではB&T社が開催した警察・特殊部隊向けの試射イベントが紹介されており、今回ご紹介した狙撃銃に付いても、各1ページずつ取り上げられています。


【B&T APR狙撃銃】

 


【B&T SPR300消音狙撃銃】

 

社長曰く、もしこれらの狙撃銃についてお客様からのご要望があるようでしたら、無可動として日本に入荷する事も考えているそうですので、気になる方はぜひお問い合わせください!!
それではまた!!

 

本日のワンポイント情報!!

買取りで、モーゼル スタンダード 短小銃 が東京店に入荷致しました。

HP・詳細画像ともにアップしておりますので、どうぞご覧ください。


モーゼル スタンダード 短小銃 のHPはこちら

モーゼル スタンダード 短小銃 の詳細画像はこちら


2017.02.23 Thursday

スナイドル銃進化論(?)

皆様こんばんは、キートンです。

さて、今回は一気に時代を遡りまして、幕末〜明治期の日本でも活躍したこちらのスナイドル銃を取り上げてみたいと思います。


…とはいえ、日本におけるスナイドル銃の活躍については幕末から明治頃の歴史がお好きな方は既にご存知かと思いますので、今回はそのメカニズムやバリエーションについて詳しく見ていく事にしましょう。

 

スナイドル銃 (英語読みだとスナイダー) は前装式であったエンフィールド銃を改修して後装式とした小銃で、1866年に英軍に制式採用されました。

エンフィールド銃では弾丸と装薬を銃口側から別々に装填した上で、雷管をニップルに取り付ける煩雑な操作が必要でしたが、スナイドル銃ではこれらを一つにまとめたカートリッジ (.577 スナイダー弾)を薬室後方のブリーチ・ブロックを上方に跳ね上げて装填します。

ブリーチ・ブロックの前面には撃針が装備されており、ハンマーがブリーチ・ブロック後部のニップルを叩くとブリーチ前面から撃針が飛び出して雷管を撃発する構造となっています。

 

発射後は上の写真のようにブリーチ・ブロックを手前に引く事により、エキストラクターが発射済みの薬莢を手前に引き抜きます。 前装式だったエンフィールド銃に比べるとかなり先進的なシステムですね!

 

さて、英国軍用銃の例に漏れず、量産されたスナイドル銃には大きく分けてMk I、Mk II、Mk IIIの3タイプが存在し、さらにその中に細かなバリエーションが存在します。

この内、Mk I及びMk IIは既存のエンフィールド銃を改造してスナイドル銃にしたものですが、Mk IIIは元々スナイドル銃として新規に製造されたタイプです。

 

各タイプの違いは、(長小銃や短小銃で多少の違いはあるようですが) 概ね以下のようになります。 (モデル名に付く「*」はSMLE小銃などと同じく「スター」と発音し、「**」は「ツースター」と呼ぶそうです)。

Mk I…1866年に制式となったスナイドル銃の最初の量産型。 スナイドル式のブリーチ機構の追加にも、ベースであるエンフィールド銃からハンマー形状が変更された他、メイン・スプリングのテンションを弱くする等、細かな改良が加えられています。


Mk I*…Mk Iタイプのスナイドル銃に使用されていた初期のMk I弾薬使用時に事故が発生した為、改良型のMk II弾薬に対応できるよう薬室後部の弾薬のリムが収まる部分の形状を改造したモデル。 薬室形状以外はMk Iと同一です。

(左: Mk I弾薬、右: Mk II 弾薬)
 

Mk II*…Mk I*と同時期に登場したタイプで、Mk Iの改造品ではなく新規にエンフィールドから改修されたモデルです。 薬室の形状はMk I*と同じですが、Mk II**に見られるような小改良は行われていません。


Mk II**…Mk I*やMk II*と同時期に登場したタイプで、スナイドル銃の中でも最も一般的なタイプです。 薬室後部の形状はMk I*やMk II*と同様ですが、以下の様な小改良が加えられています。

1. エキストラクター形状の改良

2. ブリーチ・ブロック下面をより円形に近い形状に変更

3. ブリーチ・ブロックの大型化に伴い、ブリーチ収納部の形状を変更

4. ファイアリング・ピン・ニップルを僅かに短縮

5. ハンマー先端を窪んだ形状に変更

(Mk II**タイプの先端が窪んだ形状のハンマー)

 

Mk III…1869年に登場したタイプで、従来の様なエンフィールド銃からの改造品ではなく、当初からスナイドル銃として製造されたモデルです。 ブリーチ・ブロックの左側面にバネを内蔵したロック機が追加された他、ブリーチ収納部の下部が強化されています。 ハンマー先端はMk II**の窪みのある形状から、平坦な形状に変更されています。 また、銃身の材質が通常の鉄から鋼鉄製に変更されました。

 

上記のMk I〜Mk IIIはスナイドル銃の量産タイプに当たるモデルで、ブリーチ・ブロックや蝶番といった部品が一体構造になっており、エンフィールド銃の銃身後部を切断してネジを切った物をこのブリーチ・アッセンブリーに捻じ込んで組み立てられています。

こちらはMk IIタイプのスナイドル銃のブリーチ・メカニズム周辺です。 銃身後部がブリーチ・アッセンブリーに捻じ込まれているため、銃身とブリーチ・アッセンブリーの継ぎ目に段差ができているのが分かります。 (尚、こちらのスナイドルMk IIは英国製のエンフィールド銃をベルギーでスナイドル銃に改修した個体で、銃身やブリーチ上部にベルギー・リェージュのプルーフ刻印が確認出来ます。 このようにスナイドル銃は英国以外にも様々な国でエンフィールド銃からの改修によって製造されました。)

 

一方、初期のスナイドル銃ではブリーチ・メカニズムは一体となっておらず、エンフィールド銃の銃身上部の一部を切り取り、ここにブリーチ・ブロックが回転してはまり込む構造となっていました。 ブリーチを回転させる蝶番は銃身の右側に直接溶接もしくはロウ付け固定されています。

この銃身に蝶番を直接固定する方法は、蝶番を溶接する箇所に熱を加える必要があり、生産性の低いものでした。 またブリーチ機構自体の耐久性も低かったため、Mk I以降の量産型のスナイドル銃では上述のように一体型のブリーチ・アッセンブリーに変更される事になりました。 この新しい製造方法により、初期型のような溶接作業等の必要がなくなった他、ブリーチ・アッセンブリー自体の耐久性も飛躍的に向上したと言われています。

 

因みに、上の写真の個体にはベルギーで開発されたPoilvacheシステムと呼ばれる独特のロック機構が取り付けられており、英国製のエンフィールド銃をベルギーで手作業でスナイドル銃に改修した初期の製品と考えられます。 Poilvacheシステムでは、ブリーチ・ブロック左側面のレバーを上方に持ち上げる事でブリーチのロックが解除される構造となっています。

こちらがPoilvacheシステムのブリーチ・ブロック後部です。 ロック・レバーを上方に回転させる事により、ブリーチ・ブロック後部の突起がブロック内に収納される構造となっています。

 

ブリーチ後方には写真のように窪みが設けられており、ロック・レバーを操作する事によって上記の突起との噛み合いが説かれてブリーチを上方に跳ね上げる事が可能となります。

 

このPoilvache式のロッキング・ラッチ機構を持つスナイドル銃はベルギー以外にトルコのトプハーネ造兵廠でも製造され、後にスナイドル Mk III等とともに露土戦争 (1877-1878) で使用された他、なんと第一次世界大戦終結頃(!)までトルコ軍で現役であったと言われています。 スナイドル銃とこのロック・システム組み合わせがそれだけ完成度が高かったという事でしょうか…。

 

一方、英国製の一般的なスナイドル Mk I〜Mk IIについてもブリーチ・ブロック左側面のロック機構はないものの、ブリーチ・ブロックが容易に開かないよう工夫がなされています。

Mk IIタイプのスナイドル銃のブリーチ収納部後方を見てみると、このように小さな突起が設けられています。 この突起にはバネが内蔵されており前後に可動します。

ブリーチ・ブロック後部には上記の突起と噛み合う小さな窪みが設けられており、指掛け部分に一定以上の力を掛けて持ち上げるとブリーチ・ブロックが上方へ開放される構造となっています。

 

こちらのシステムはブリーチ・ブロック閉鎖時の信頼性に難があったのか、その後開発されたスナイドル銃の最終モデルであるMk IIIではブリーチ・ブロックのロック機構が追加されています。

Mk IIIのロック機構は、ベルギーのPoilvacheシステムのようにレバーを持ち上げる方式ではなく、側面からロック・ボタンを押し込みながらブリーチを開く方式となっています。

 

このように一般的にはバリエーションの違いについて殆ど語られる事の無いスナイドル銃ですが、実際にはブリーチ・アッセンブリーの構造やロック機構、銃身長などを含めると膨大なバリエーションが存在する事に気付かされます。

 

今回ご紹介いたしましたスナイドル MK IIはありがたい事に早速販売済みとなりましたが、今後もシカゴに新たなスナイドル銃のバリエーションが入りましたら、是非こちらのブログなどでご紹介していければと思います。

それではまた!!

 

>> シカゴ在庫品のスナイドル-エンフィールド 紙薬莢後装式小銃はこちら

 

 

本日のワンポイント情報!!

買取りで、九九式短小銃 中期型 が東京店に入荷致しました。

お客様にご案内中ですがHP・詳細画像ともにアップしておりますので、どうぞご覧ください。


九九式短小銃 中期型 のHPはこちら

九九式短小銃 中期型 の詳細画像はこちら


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