オーストリア物流倉庫便り 2024年1-2月号
皆様こんばんは、キートンです。
本日は英国工場からオーストリアに移動して、物流倉庫での作業の様子をお伝えしていきたいと思います。
飛行機でウィーンに到着した後は、いつものように現地での足となるレンタカーを調達。 今回の旅の相棒はプジョー 308のディーゼル仕様。 フロントにモデル名のバッジを付けるのが最近の流行りなのでしょうか。 プジョーといえば立ち上がったネコライオンのロゴのイメージでしたが、いつの間にか変わっていたんですね…。
無事にレンタカーを調達した後は、今回も新社長の運転でウィーンから物流倉庫まで向かいます。
1月という事もあり、物流倉庫へ向かうにつれ辺りは雪景色に。 今回の倉庫での作業も寒さとの戦いとなる予感がします。
物流倉庫に到着後は、早速新たな入荷品がないか倉庫内をくまなく歩き回り、時にはコンテナによじ登りながらチェックしていきます。
まず目に留まったのはこちら。
ルーマニアで試作されたという各種のAKバリエーションです。
全て民間向けのセミオート仕様ですが、いずれも一癖ある作りとなっています。 特に真ん中の2挺のハンティング・ライフルは、AKベースでありながらハンドガードにポンプ・アクションのようなスライドする部品を追加してコッキング操作を行えるようにした不思議なモデルです。
いずれもゲテモノに近い雰囲気ですが、各国のAKバリエーションを集める上では面白いモデルかもしれません。
今回ツァスタバ M76 狙撃銃の中古コンディションの物が大量に物流倉庫に届いたとの事で、こちらもコンテナの中の銃を全て引っ張り出して1挺ずつコンディションを確認していきます。
しかし狙撃銃がこれほど大量に配備されていたというのは驚きですね。 恐るべし、ユーゴスラビア…
こちらがM76のコンテナの中から選び抜かれた精鋭たち。 我々が選んだ個体のコンディションがあまりにも良かったため、新品のM76が入った別の木箱から選んできたのかと物流倉庫のオーナーに誤解されそうになりましたが・・・。
銃本体に取り付けるスコープは別のコンテナ内に保管されており、こちらも大量のスコープの山の中から状態の良いものを選んでいきます。
ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、ツァスタバ M76のスコープには製造時期に応じてON-M76、ON-M76A、ON-M76Bという3種類のバリエーションが存在します。
こちらが初期型に相当するON-M76と呼ばれるモデルで、初期のPSO-1スコープのような赤外線フィルター機能を備えており、本体上部の窓と本体右側に設けられた赤外線フィルター切り替えノブが特徴です。
こちらは中期型に相当するON-M76Aで、赤外線フィルター機能が省略されました。 スコープの本体はON-M76からの流用で、本体上部の窓は塞がれ、本体右側の切り替えノブも取り外されています。
後期型に相当するON-M76Bでは当初から本体に赤外線フィルター用の窓や切り替えノブがない仕様となっており、シンプルな外観となっています。
今回のスコープの山は、予想通り大半が後期型のON-M76Bとなっていましたが、数は少ないものの根気よく探せば比較的状態の良いON-M76やON-M76Aも見つける事ができました。 さすがに銃本体とのシリアルNo.マッチとはいかないものの、スコープもコンディションの良い品を選びましたので、どうぞご期待いただければと思います。
作業の合間の休憩時間に雑多なジャンク拳銃が詰め込まれた木箱をふとのぞいてみたら、なんとモーゼル シュネルフォイヤーが・・・。 物流倉庫にいると段々感覚が麻痺してきます。。
さて、気を取り直して作業再開。 こちらのコンテナに入っているのはお馴染みVz.37 重機関銃…ではなく、イギリスのベサ 車載機関銃。 無骨な見た目どおりの非常に重い機関銃です。 今回少数ですがこちらも仕入れましたので、英軍・英国戦車ファンの方は是非コレクションに加えてみてはいかがでしょう。
こちらはガリルのショート・バージョンのSARという事でコンテナに入っていた2挺ですが、よく見ると細部が違うような…
すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、写真下がガリル SARで、写真上が南アフリカで製造されたベクター R5です。 写真では分かりづらいですが、ベクターの方が微妙にストックが長くなっています。
ハンドガード後部のリテイナーとレシーバーの接続部分の形状も違いますね。
細かい部分ですが、フロント・サイト・ガードの大きさもベクターの方が大きかったりします。
しかしイスラエルのガリル SARと南アフリカのベクター R5がこうして同じコンテナに入っていたというのは、なんとも不思議な巡り合わせですね。。
こちらは第一次大戦時に開発されたベレッタ M1918 自動小銃。 今回ジャンク状態の銃が大量に詰め込まれたコンテナの中から奇跡的に1挺状態の良い品を探し出しました。 本体上部にはビラール・ペロサ M1915 機関銃と共用のマガジンを装着しますが、このマガジンだけでも相当希少ですね。
最後はこちら、シカゴとしても約30年ぶりに入手したビッカース Kガン! 有名な割には出物が極端に少なく、もはや幻の銃の一つといっても過言ではないかもしれません。 私も博物館以外では初めて見ました。。
今回のオーストリア出張では事前にどのような品が入荷しているか知らない状態での訪問となったため、十分な仕入れができるか不安でしたが、予想以上に珍しい銃が豊富に入荷しており、逆に仕入れ予算との戦いとなりました。
今回のブログでご紹介しきれなかった品も数多く仕入れておりますので、ぜひ今後の入荷にご期待いただければと思います。
それではまた!!
本日のツーポイント情報!!