Chicago Blog

国内唯一の無可動実銃と古式銃の専門店。
スタッフの日記や元フランス外人部隊兵の声、新入荷の情報などの各種おしらせ、在庫状況など、リアルタイムにお知らせします。

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2018.02.13 Tuesday

T-800もお気に入り

こんにちは、V号戦車とか零戦五二型とか、“週刊組み立てるシリーズ”の着弾点がこっち方向に定まってきたな、と財布のヒモをきつく結び、CMを見なかった事にするキヨミズです・・・ねこあつめはマジで欲しい!


今日ご紹介するのはこちら、
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イスラエル UZI 短機関銃です。
もう皆様に紹介する必要も無いほど有名な銃ですが、僕の軽いおさらいに少々お付き合いを。


第一次中東戦争時、イスラエル国防軍とアラブ諸国軍は日中に激しい砲撃戦を行い、夜間は前線を超え、相手陣地に夜襲をかける戦闘が繰り広げられていました。 その際、市街地や塹壕線を巡る近接戦闘では、軽敏かつ火力の高い短機関銃が大いに威力を発揮したのですが、イスラエル側はステンガンやMP40にベレッタにトンプソンと、他の兵器と同じく、大戦終結で余剰となった兵器を、世界中からあらゆる手段でかき集めた雑多な装備であった為、兵站面で大きな問題が生じます。 これはアラブ側も似たような状況でしたが、国際情勢の急激な変化による供給元が安定しない状況に、イスラエルは大きな危機感を覚え、兵器の国産化は急務となりました。 そうした流れの中、第一次中東戦争の停戦からわずか2年後の1951年、同国初の国産兵器として、UZI 短機関銃が発表されました。
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“UZI”の命名は、設計者である“Uziel Gal”(ウジ-ル・ガル)中尉(当時。最終階級は大佐)から取られています。 ドイツ・ワイマール生まれの同氏は、ナチス政権勃興に伴い渡英の後、イギリス委任統治領であったパレスチナに移住。 そこで工学の専門技術を修め、銃器設計に才能を発揮。 イスラエル建国と共に国防軍に入隊し、第一次中東戦争に従軍した経験を基に、UZIの開発を行いました(ちなみに同氏は自らの設計でありながらも、銃に自分に因んだ名前をつける事を好まなかったそうです)


レシーバーを上から覗いてみます。 フロントサイト・ガードやコッキング・ノブが大きく目立ちますが、極初期型では小さ過ぎたため、程なくして大型化されました。
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特徴的な箱型レシーバー。 既存の短機関銃にみられる円筒形レシーバーを、大量生産に向くプレス加工で製造するには、当時のイスラエルには荷が重く、生産性と耐久性を考慮した結果、この様な箱型レシーバーが生み出されました。 同時期で量産されたプレス製箱型レシーバーの短機関銃と言うと、フランスのMAT49が真っ先に思い浮かびます。 構造的には大きく異なりますが、何らかの参考にはしているのかもしれません。


ハンド・ガード、グリップは合成樹脂製です。 木製としなかったのは、国情的に木材資源の節約の意図があったのでしょうか?
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ハンド・ガード前方に着剣装置が見られます。 軍用だからってコンパクトなUZIに銃剣付けてもなぁ〜、と思っていましたが、開発経緯を考えると“あっても困ることの無い”装備だと言えますね…


バレルの一部をボルト・キャリアが包むような設計のL字型ボルトが、全長の短縮化に成功しています。 またボルト全体の重量を増す事により、発射速度の抑制と、動作の確実性を実現しています。
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使用弾薬は9x19mm。オープン・ボルトでの撃発です。 発射速度は約600発/毎分と、コントロールしやすい範囲に設定されています。 重量はありますが、片手での応急射撃も可能とされます(もちろん鍛えられた兵士かシュワルツェネッガーでもなければやるべきじゃないでしょうが)


グリップ部。 グリップ&トリガー・グループはレシーバーとはピン二本で結合されており、簡単に着脱が可能です。 セレクターは右側からセーフ/フル/セミ。 レバーの移動量が少なく、握り手での操作が可能です。 また、握り込むで解除する、グリップ・セフティも導入しています。 機構的にも複雑になりますが、グリップをしっかりと握らない=最低限の制御も難しい状態、での不意の暴発を防ぐ装備として、野戦用の短機関銃には有用な装備に思えます。 そういやMAT49もグリップ・セフティがありましたね・・・
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UZIに要求された一つに“暗所でも使える操作性”があります。 マガジン・ハウジングをグリップ内に収める設計は、正にこの要求に適しており(右手と左手を合わせるという感覚で行える)、高度な習熟が必要ない=訓練期間が短くて済む、という用兵上のメリットもあります。 マガジン・キャッチは左側のみ。 セレクターの位置もですが、右利き射手を優先した設計です。 ここは何故、Vz.23のようなグリップ・ボトム式のマガジン・キャッチを採用しなかったのかが気になる所です。


本ロットはイスラエル国防軍のマークが刻まれており、正真正銘のイスラエル軍放出品である事を示します。 その下にはヘブライ文字でUZI短機関銃と何らかの数列?、そしてシリアル・ナンバーが確認出来ます。
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レシーバー・カバー・キャッチも兼ねたリア・サイト部分。 レシーバーと一体のサイドガード・ブレードに挟まるようにリア・サイト本体が備え付けられています。 極初期型ではトンプソンのような三角のブレードでした。
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サイトは100mと200mの二段式。
イスラエル軍では可能な限り50m以内で撃て!、と教えていたそうです。


当初、木製ストックが標準装備でした。 下部のボタンで簡単に着脱可能なのはトンプソンM1928からの影響でしょうか? イスラエル軍用UZIの木製ストックは大きく分けて三種類存在します。
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初期型は上面が平らでバット・プレート部にクリーニング・キット用コンパートメントが設けられていましたが、後にコンパートメントを廃止しバット・プレートを射撃しやすい角度をつけた型が作られ、最終的には画像の物、頬付けが行いやすいよう上面にカーブ状とした形状に改められました。


金属製の折り畳み式ストックは1956年に採用され、以降の標準装備となります。
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この特徴的なストックは、空挺部隊やコマンド部隊、後方部隊や警備要員といった携帯性を重視する要員に特に歓迎され、UZIの評価を更に高める事となりました。


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うん、カッコいい!あくまで個人的な感想ですけど、あまり古さを感じさせない、独特の雰囲気がUZIにはあります。 シカゴには木製ストックと金属製折り畳みストック、どちらのモデルもご用意しております。 イスラエル軍放出品のため、それなりの使用感はありますが、大きな欠点の無い美品ばかりです。 気になる方は是非ともご検討下さい。
それでは、今回はこれにて!



>ミニにマイクロもあります!UZI短機関銃シリーズはこちら
>UZI用アクセサリーはこちら
>参考にしたのかな?  MAT Mle 1949 短機関銃はこちら

 

 

本日のツーポイント情報!!

東京店在庫品で、スオミ M31 短機関銃 (前期型) の新たな個体をHPとD/P(詳細画像) にアップいたしました。ぜひHPをご覧ください。

スオミ M31 短機関銃 (前期型) (15万円、税別)はこちら

 

*東京上野本店 営業時間変更のお知らせ

いつも当店をご利用いただきありがとうございます。 誠に勝手ではございますが、平成30年2月1日より東京上野本店の営業時間を12:00〜19:30とさせていただいております。 お客様にはご不便をおかけしますが、何卒ご理解のほどお願い申しあげます。
なお、大阪店(TEL: 06-6223-9070)の営業時間は変更ございません。 これまで通り20:00まで営業いたします。

 


2018.02.11 Sunday

サッカーワールドカップは4回優勝

こんにちは、子供の頃に、漢字を覚えるのが面倒くさい、という勉強ダメな子丸出しな理由で、三国志(マンガ)読破に挫折して、今日まで生きてきたキヨミズです・・・いや、待てよ・・・ちょっと考えてみると、苦手なのは漢字だけじゃないぞ!



大阪店店頭に、以前から気になっているライフルがあります。
妙に古式ゆかしい佇まいですが、近代的なボルト・アクション小銃としての装備は揃っているようにも見えます。型式に-87とか-15が付いてるのも気になりますので、商品HPのコメント文と各種資料を頼りに、目を回しながら、おさらいしてみました。
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ベテェーリ M1870-87-15 歩兵銃です。


イタリア統一運動により統合が進んでいた1869年のイタリア王国は、それまでの主力小銃であったカルカノMod. 67 ニードル・ライフルを更新するため、スイス人発明家フェデリコ・ベテェーリによる、ベテェーリM1869小銃に注目。
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10.35x47mmR の新弾薬と共にベテェーリ M1870として採用します。この時点では単発装填でしたが、1887年、砲兵士官であったジュゼッペ・ビタリによる本銃用の弾倉が採用され、ベテェーリ M1870-87として改修が施されました(欧米では本家スイスのベテェーリと混同しないよう、ベテェーリ・ビタリ M1870-87とも呼ばれています)


帝国主義の時流に乗っかり、イケイケドンドンなイタリア王国。フランスががっつり支援していたエチオピアに負けたりもしましたが、同盟国のドイツ・モーゼルとオーストリア・マンリッヒャーの影響を受けた、カルカノ M1891 歩兵銃が誕生します。
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設計はトリノ王立陸軍工廠のサルバトーレ・カルカノ技師による物で、機関部等の主要メカニズムはモーゼル(Gew.88)から。
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使用弾薬は、イタリア制式初の無煙火薬を使用する6.5x52mmマンリッヒャー・カルカノ。これは文字通り、オーストリアのマンリッヒャーとの開発で誕生した物で、そのため挿弾子等の給弾機構もマンリッヒャーを倣いました。
(1903年、オーストリア = ハンガリー帝国はマンリッヒャー・ショノーワー小銃と共に、6.5x54mm弾薬を採用します。8x56mmRを使用する ステアー・マンリッカー M1895 歩兵銃 と並行配備。そして我が帝國の三十年式実包(6.5x50mmSR)は1987年。オーストリアは様子見てた?!19世紀のオーストリア小銃については社長のブログをご参照下さい


伝統の面影を残すクラシカルなサイト。レンジは2000mまでありますが、サイト・リーフはこんなにも跳ね上がります。6.5x52mmカルカノの弾道はクセが強い!
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そして、それまでの戦争が小競り合い程度に思える程、苛烈な第一次世界大戦が勃発。三国同盟も昔の話、連合国側についたイタリアは独・墺に向けてカルカノ小銃を撃ちまくります

・・・が、消耗戦続きであらゆる物資が不足しがちに。当然、小銃も不足となり、既に二線級扱いであったベテェーリ M1870-87を引っ張り出し、6.5x52mm弾仕様に改修したものが、一枚目画像のM1870-87-15となります。ちなみに“-15”はローマ造兵廠による物。“-16”はブレシア及びトリノ造兵廠製作を示します。



多くを失いながらも戦勝国となったイタリアは、疲弊しきった国を立て直す美名の下、ファシズムが台頭し、ローマに進軍したベニート・ムッソリーニの時代が訪れます。新たな親方を頂いき、イケイケドンドン再びと、都市整備に列車開発、空中艦隊に地中海艦隊と、新たな計画を立てますが、世界恐慌もあり、進捗はかばかしくありません。第二次エチオピア戦争には辛勝したものの、困ったなと腕組みしている間に、スペイン内戦が起き、ファシズム仲間のドイツが、オーストリアにチェコスロバキアを併合したと思ったらポーランドに侵攻。あっという間に第二次世界大戦へと突入していきます。
そのような中、イタリアはエチオピアや北アフリカ(現在のリビア)での戦闘で、6.5x52mmの限界を認識しており、より大口径の7.35x51mmカルカノ弾薬を、M1938小銃と共に採用します・・・1938年、・・・第二次世界大戦夜に・・・

ブーツも履ききらないうちに始まってしまった第二次世界大戦、日独と新たな三国同盟を組んで奮戦するも、前大戦とは異なる戦いで、あらゆる物資が不足。その上、物も戦術も日進月歩で、イタリアの工業力はすぐに限界を迎えてしまいます。せっかくの新弾薬だけど、在庫も機材も残ってる前の弾に戻した方が手っ取り早い!という事になり、1940年、早くも主力弾薬を6.5x52mmに再変更、前線部隊には7.35x51mmと並行配備しつつ、7.35mmの小火器6.5mmに戻す改修が行われました。


6.5x52mmを使用するM1938騎兵銃も、このような流れで誕生しました。
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機関部はM1891そのまま、ボルト・ハンドルはM1891騎兵銃より受け継ぎ、装具や背中に当たらないようストック側に曲げられています。
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発展したGew.98のモーゼル式に比べると、安全性に問題が残るとされますが、シンプルで量産向きの設計です。


リア・サイトも量産性優先で、ピストルのような固定式。設定距離は300mです。
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一人で的を撃つんじゃないんだから〜と、ここまでシンプルにされると士気に影響を及ぼさなかったのか、そして連合国だけでなく、枢軸側の兵隊からもからかわれなかった気になる所であります・・・

戦間期、各国で進んでいた小銃の短縮化ですが、機動戦や市街地での戦闘が主となった第二次世界大戦で、その流れは一気に加速します。遅れをとっていたイタリアですが、小口径である6.5mmカルカノが有利に働き、バレル短縮による弊害は少なく、結果として、各兵科に多くの騎兵銃を配備する事が出来ました。1940年以降、ストックを更に簡略化し、固定式スパイク式銃剣を装備したモデルが開発され、イタリア軍の主力小銃となります。

それまでに生産されたM1938、M1891小銃/騎兵銃も同様の改修を受け、再配備が行われます。M1891/38騎兵銃です。
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元はM1891騎兵銃として誕生⇒7.35mm化してM1891/38騎兵銃に⇒また6.5mmに戻したM1891/38騎兵銃、という訳ですね。書いていて訳が判らなくなりそう・・・


このスパイク式銃剣はオリジナルのM1891騎兵銃からのデザインで、四四式騎兵銃の参考されたと言われております。
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小銃や弾薬だけではなく、あらゆる混乱を抱えながらも、イタリアは奮戦しますが、結果はご存知の通り。親方を逆さ吊りにして、返す刀でファシストから国土を解放。晴れて戦勝国の仲間入りを果たしたのでした・・・いえ、皮肉でもなんでもなく、この政治的機微に学ぶべき事は多いと思います!


最後は戦後、イタリア共和国のBM59自動小銃と並べての一枚!
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手前味噌ですけど、 壮 観 !

こうやって現物を並べて時代を追えるって、本当、凄い事ですよね・・・
今回ご紹介した機種のバリエーション違いも含め東京、大阪両店で在庫しております。
これだけの品が揃う機会はなかなかございません。
ご興味のある方は、どうぞご検討下さい。
それでは、今回はこれにて!

 

>イタリア、スイスのベテェーリ各種はこちら
>カルカノ M1891、M1938各種はこちら
>ベレッタ BM59 自動小銃 各種はこちら

 

本日のツーポイント情報!!

大阪店在庫品のツァスタバ M72B1 軽機関銃 のHP解説 を本日追加いたしました。 ぜひHPをご覧ください。

ツァスタバ M72B1 軽機関銃(12万円、税別)はこちら

 

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2018.02.03 Saturday

スペイン栄光の星

こんにちは、大阪店ナベ上等兵がスペイン風邪に罹患!それだけではなく僕の家人も友人も、近所のコンビニの店長も、そしてかかりつけの近所の内科の先生!までもがインフルエンザにかかっており、今冬のインフルエンザの猛威を目の当たりにしているキヨミズです。 どうぞ皆様、お気をつけ下さい。


今回もスペイン製でまいります。
スター モデロZ-70/B 短機関銃 でございます。
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1971年、スペイン軍用の短機関銃として採用されました。
前任のZ-62短機関銃より、使用弾薬を9mmラルゴから、一般的な9mmパラベラムに改め、引く位置によってセミ/フルを切り替えるトリガー・システム(MG34のシステムです)、クロス・ボルト式セフティーを、単純なセレクター・レバーに集約、マガジン・リリース・レバーの変更等の改修が施され、完成しました。 開発・生産はSTAR社。 同社は19世紀より続く銃器職人の一族をルーツに持ち、1905年に設立。 主にオートマチック・ピストルを得意とするメーカでしたが、スペイン内戦の前年である1935年、同国初の国産制式短機関銃となった(国家憲兵隊向け)Si 35短機関銃シリーズを皮切りに、短機関銃開発でも名を馳せます。
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STAR社製短機関銃は、数度のモデル・チェンジを経て、スペインの軍及び警察で広く使用されました。 またいくつかのモデルは旧植民地諸国を始め、輸出も行われています。 しかし、同社は他のスペイン銃器ブランドと同様に、民主化、冷戦終結後の経営難に陥り、1997年のアジア通貨危機が追い討ちとなり、100年近い活動に終止符を打ったのでした・・・(直後、旧アストラ社と一緒に“ASTAR”という、ややこしい社名の新会社を設立。 STARブランドも、この会社が管理していたようですが、今現在は目立った活動は見られず、存続しているか不明)


このZ-70/B、シボ加工や細部のデザインが、英スターリング短機関銃に似ております。
マズル部。 クチバシ状といいますか、ドリルといいますか(スターだから星型?)バレル先端の外形がレシーバー・キャップを押さえる構造のため、この様な特徴的な形状に。
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左側面に設けられたチャージング・ハンドルは起倒式。 使いやすい位置にあり、起倒に適度なテンションがかけられています。 ボルト直結ではないので、射撃時にバレルジャケットを握っても大丈夫です。


エジェクション・ポートは上方、わずかに右寄りに開いています。 発射速度は約550発/分。
画像ではボルト・キャリアがクローム仕上げのように光り輝いているように見えますが、実際には硬化・防錆処理と思われる黒染め処理がされています。
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両側面に大きく張り出した加工がされています。 強度確保のためと、恐らくですが、運搬時の“指かけ”を兼ねてるのではないかと。 いわゆる“キャリング・出っ張り”ですね。


その他、各箇所に張り出し加工が見られます。
レシーバー右側面に並ぶ四つの跡は結合加工の跡でしょうか。
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シンプルながら見事にまとまっています。 この銃に限らず、生産性と耐久性、そしてデザイン性を天秤にかけ、設計に苦心したんでしょうね…本当、ものづくりって偉大!


今は無きスター社の刻印。 その下はスター社のあったバスク州エイバル自治区の“EIBAR”と、ハイフンを挟んでスペイン”ESPANA”、その下に型式“MODZ-70B”
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Z-70“無印”モデルに、僅かな改修(詳細は調べきれず・・・)が施され“B”となり、量産配備が行われました。


セレクターは画像の位置でセーフ、中央でセミ、右でフル。 手の小さい僕でも、親指だけでの操作が可能なサイズです。 トリガーガード下に見えますのはマガジン・リリース・レバー。 Z-62の左側面ボタン式から改められました。
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グリップは樹脂製。 少し角度が付いており保持性良好。 二本のピンを抜きますと、レシーバー分割が可能です。(中は見てのお楽しみ。 赤い保護塗装にちょっと驚かれるかも)


リア・サイトは100mと200mの二段式。
セトメ モデロLのサイトと同じく、角ばったサイト・ブレードです。
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スリング・ループが付いたエンド・キャップ。 シボもあるのでスターリング短機関銃と見間違うデザインですが、エンド・キャップの固定方式はベレッタ辺りからの拝借に思われます。


ストックの収納はこのボタンを押し込みロックを解除、
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下側にスイングさせ、バット・プレート部のフックをレシーバーの収納口に引っ掛けて固定させます。

最後はスターリングと並んだ一枚!
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シンプルなオープン・ボルト式の短機関銃ですが、後発ゆえの改修が重ねられ、高い完成度を感じられます。 時代に翻弄され、今はほとんど消滅したに等しい、スペイン銃器産業の軌跡を知る上でも貴重な一丁です。 程度も極上。 ご興味のある方は是非ともご検討下さい。
・・・後継のZ-84もいつか目にしたいな〜、って社長がブログに次回入荷って書いてる!
(あくまで次回入荷予定ですが、ご予約絶賛承り中です!お気軽にご連絡下さい)

それでは、今回はこれにて!

 

 

>スター モデロZ-70/B 短機関銃はこちら

>シボ有り/無しを在庫中 スターリング MK4 (L2A3) 短機関銃はこちら

 

 

本日のツーポイント情報!!

*東京店在庫品の東ドイツ MPi-AKS-74N 自動小銃 のHP解説 を本日追加いたしました。 ぜひHPをご覧ください。

東ドイツ MPi-AKS-74N 自動小銃(15万円、税別)はこちら

 

東京上野本店 営業時間変更のお知らせ

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2018.01.30 Tuesday

最後のセトメ

こんにちは、この所の寒さには閉口しまくりで、一刻も早く冬が終わって欲しいのですが、鍋物だけは続けたいキヨミズです。 今期おすすめは豆乳鍋!



今日、取り上げますのは、こちらの銃、L001.jpg
スペイン セトメ モデロL 自動小銃です。


7,62mmNATO弾使用のセトメ モデロCの更新用として、5,56mmNATOを使用する新小銃として1984年に発表されました。 スペインはNATO加盟に先立つ1981年に、5,56mmNATO弾の採用に踏み切っており (加盟は1982年5月)、NATO加盟国や西側諸国の中でも、5,56mmへの更新を早くより進めておりました。

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セトメ伝統のローラー遅延ブローバック式の機構はそのままに、5,56mmNATO弾に対応。 プレスを多用したレシーバー、樹脂製ストック、グリップ、ハンド・ガード、大部分をグリーンに着色したデザインは、今見ても新鮮に写ります。 全長は930mm、空虚重量約3.4kgと、同世代の小銃と比較しても、軽量・コンパクトにまとめ上げています。



フラッシュ・ハイダーは初期生産分には画像のような三又タイプを装備。
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後期生産分はバード・ゲージ型となります (現在庫は東京、大阪店ともに三又のみ)。



フロント・サイト・ハウジング。 鋳造製でしょうか? 角ばったブロック状の作りですが、軽量化と思われる掘り込みが見られます。 ポストは上下に調整可能。
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前方の突起は着剣ラグです。 その下にはスリング・ループと、ライフル・グレネード用のシール・リングが見えます。


ハンド・ガードのデザインはFN FNCを思い起こさせます。
(グリーンだからスウェーデンのAk5か)
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かなり肉厚で非常に堅牢。 握り心地も良好です。



コッキング・ガイドからレシーバーに至るまで、上面は四角!
強度を確保するため、各所に張り出し加工が施されているのが確認出来ます。L006.jpg
かなり狭い感を受けるエジェクション・ポート。 固定されたボルト・キャリアが覗きます。
後方に少し張り出しているのは、ケース・ディフレクターの役目でしょうか?



レシーバー右側面から。 如何にもプレス製といった造りです。 真ん中に通る溝は、リトラクタブル・ストック用の物ですが、同時に強度確保の役目も果たしているのかも知れません (リトラクタブル・ストック・モデルはモデロ LC。 銃身も短縮されたカービン・モデルです。 これもいつか入荷するといいなあ)
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ストックとピストル・グリップの色味が違いますね。 素材自体は (あくまで個人的な感触ですが) 違いはなさそうです。 これも現役中の補修かと思われるんですが、レシーバーの焼付け塗装も微妙に異なるグリーンが重ね塗りされている個体もあり、少し“おおらか”な感じを受けます。


リア・サイトです。 サイド・ガードと一体となったベース・ブロックは、光学照準器用の (専用) マウントを取り付ける設計なので、レシーバーに溶接固定され、堅牢な構造となっています。 前方にあるボタンはボルト・キャッチ。 何故こんな辺ぴ?な位置にあるのかと思っていましたが、なにも戦闘中に使うのではなく、整備や訓練中の抜弾確認時に使用するために設けられとの事。
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モデロCではコッキング・ハンドルを後退位置で引っ掛ける切れ込みがありましたが、モデロLの角型レシーバーでは無理が生じたのか、この様なボタン式となったようです。



M16等と同じ、フリップ式ピープ・サイト。 200mと400mの二段式。
右側面のダイヤルで左右調整が可能。L008_2.jpg
サイト自体が角をとらず、四角い板状となっているのは面白いですね。


セレクターはS(セーフ)-T(セミ)-R(フル)
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セレクター・レバーを持ち上げながら、Rの位置より更に押し込みますと、セレクターが抜けて、トリガー・グループの分解が可能です。


ストック。かなり硬質で、少々の事では傷つきそうにありません。 ゴム製のバット・プレートを装備。こちらも劣化などは見られません。L010.jpg
スリング・ループ。 前後の穴はストック分解時のピンを紛失しないように納める物。 モデロCの木製ストックでは上下二つ穴だったのですが、モデロLではスリング・ループのパーツを留めるハトメ状の金具が打たれており、その穴をピンと同径にして収納するようになっています。 設計の合理化。 細かい所ですが、小技が効いてますね。

 



最後はグリーンのライフルといえばAUG!と並んでの一枚。
ブルパップのAUGとさほど変わらない全長で、かなりコンパクトに感じます。 しかし・・・、素晴らしい! 僕の語彙力では陳腐な文句しか浮かばないのを言い訳として記した上で、どちらもヨーロッパらしい、キレキッレのデザイン・センスが炸裂してます!! (あぁ・・・語彙力・・・)

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このモデロL、スペイン軍での制式採用は1984年でしたが、本格配備が始まったのは1987年からで、1999年には早くもHK G36Eと交替しております。 どうやら量産時の品質に問題があったらしく、スペイン兵からの評判はあまり良い物ではなかったようです。 スペインの国家財政悪化の影響による物だったようですが、プロト・タイプや品質基準を満たした個体は良好に作動したそうなので、基本的な設計に問題はなかったのだと思われます。 何よりも、セトメの資産を生かし、HKも半ばサジを投げた5,56mmでのローラー遅延ブローバック式を採用し、新時代にあわせた軽量コンパクトな小銃を開発し、採用した事にスペインの“意地”が見えて、大変興味深いです。 これが問題なく使い続けられ、現用改修されていたら、さぞ面白い銃になっていただろうなと想像してしまいます。



スペイン独自開発(今の所)最後の自動小銃です。 歴史的な意義はもちろん、立体としてモデル・アップされていない機種ですので、コレクションにオススメ! 価格もお値打ちとなっておりますので、ご興味ありましたら、どうぞご検討をよろしくお願い致します。
それでは、今回はこれにて!


>セトメ モデロL 自動小銃 はこちら
>セトメ モデロC 自動小銃 はこちら
>セトメ アクセサリー類 はこちら
>AUG 自動小銃 ファミリーはこちら

 

本日のツーポイント情報!!

買取りで、保安官バッジ等のバッジコレクション5点が東京店に入荷いたしました。 HPは近日中にアップする予定です。 価格は現時点では決まっておりません、何卒ご了承くださいませ。

 

東京上野本店 営業時間変更のお知らせ

いつも当店をご利用いただきありがとうございます。 誠に勝手ではございますが、平成30年2月1日より東京上野本店の営業時間を12:00〜19:30とさせていただきます。 お客様にはご不便をおかけしますが、何卒ご理解のほどお願い申しあげます。
なお、大阪店(TEL: 06-6223-9070)の営業時間は変更ございません。
これまで通り20:00まで営業いたします。


2018.01.26 Friday

ラテン系の兄弟

こんにちは、弊社販売の木部専用メンテナンス液の何ともいえない甘い香りが大好きなキヨミズです。 WD-40の甘ったるい香りも捨てがたい!



今回はこの銃をピックアップ、C001.jpg
スペイン セトメ モデロC 自動小銃です。
本銃の原型は、ローラー遅延式ブローバック機構を備えた、初の量産型自動小銃として知られるセトメ モデロB(モデロ58)。 小改良が加えられ、1964年に採用されたのが、このモデロ Cとなります。


ドイツH&K Gew.3にそっくりです。
(画像下はパキスタンPOF製造のGew.3A2)
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ここをご覧の皆様には周知の話かとは思いますが、“大戦中、独モーゼルの技術者が突撃銃を開発 ⇒ 敗戦したんで技術陣がスペインに避難 ⇒ スペインのフランコ将軍「お、いいねえ。ウチのライフルも作ってよ」 ⇒ 1952年 セトメ モデロA完成 ⇒ 技術陣「西ドイツが落ち着いたんで帰ります」 ⇒ 帰国した技術陣、元同僚が立ち上げたH&Kに入社 ⇒ スペイン時代のノウハウを生かし、1964年 Gew,3を発表 ⇒ バンザーイ!”となります。 なので、セトメとGew.3は兄弟と言っても過言ではない程、近しい関係で誕生しており、似ていても不思議は無いんですね。

 

モデロBはスペイン独自に装薬を減らした7.62x51mm弾を使用していましたが、モデロCは7.62mmNATO弾に対応。 フラッシュ・ハイダーの形状もバード・ケイジ状の物に改められました。ハイダー前面にワイヤー・カッター用の刻みも見られます。 NATO標準の22mmライフル・グレネードに対応。
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サイト前方にある大柄なツマミ状の物は何でしょうか?
Gew.3のここにあるのは・・・なるほど、着剣ラグですね。


そして着剣ラグ付近にある二ヶ所の穴を押し込んで引っ張りますと、クリーニング・キット・コンパートメントが出てまいります。C004.jpg
空間の有効活用です。Gew.3では着剣装置のみ、ドイツ昔からのクリーニング・キットは収納しない!という方針が貫かれおり、お国柄の違いが見える興味深い点です。(この個体は中身は入っていませんでしたが)


チャージング・ハンドル。 ハンドル内部が空洞なのは、厚手のグローブ着用時等、細かい操作が難しい場面で、ヒモや棒を使って引っ張るための工夫。
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モデロBでは金属プレス製だったハンドガードは、木製に改められました。 軽機関銃的な運用も考慮されたモデロBでは、放熱が優先されたのでしょうが、モデロCでは小銃本来の性格が強くなり、断熱性
に優れた木製が選択されたのでしょう。(他、二脚やキャリング・ハンドルも外されました)



マガジン・ハウジング部に刻印が見えます。 中央には製造元であるサンタ・バーバラ造兵廠の刻印が。ちなみにCETMEは“特殊材料技術研究センター”を意味するスペイン語の頭字語との事。
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鉄製20連マガジンは若干、前方にカーブした形状。マガジン・キャッチの設計もGew.3と同じ。 ならばイケるんじゃないかと、Gew.3マガジンとの互換性を試してみました。 すると、鉄製は難なくOK、アルミ製はキツくてNGとなりました。 マガジン側張り出し加工の関係でしょうか、モデロCと比べますとGew.3はマガジン・ハウジング内部の幅が僅かながらに広いようです。(もちろん、鉄製マガジンも装着出来ても実射時に問題が出るかもしれませんので、ここでの互換性はあくまで装着だけの話)



リア・サイト。100m(近接)用はオープン、200・300・400mはピープ(アパーチャー)
Gew.3のドラム式に比べると簡素な造りですが、Gew.3の最初期型もこれと同形状のリアサイトを装備していたのでした。
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セトメもモデロC以降の試作型でH&K式のドラム・リア・サイトを試していたりするので、
兄弟共に試行錯誤していたようです。



セレクター。 TがセミでRがフル、Sがセーフと真ん中のポジションがセーフ・オンとなります。
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Gew.3等のH&Kトリガーグループと形は似ていますが、ポジションが異なりますので要注意!(無可動では関係ないですけど)



木製のバット・ストック。 ゴム製の分厚いバット・プレートが装着されています。C009.jpg
穴二つはストック分解時のピンを収納する物。 スリングの取り付け部はGew.3といいますか、モーゼル・ライフルに見られるドイツ式ですね。



最後は後継のモデロ Lと並べて一枚。
次回はモデロ Lを取り上げようと思います。
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このモデロ C、スペイン軍よりの放出品のため、軍役を経た相応の雰囲気となっております。
在庫の個体いずれも、それなりの使用感はありますが、大きな欠点はありません。
木と鉄、ゴツくてリーズナブルな銃をお求めの方には是非ともオススメの一挺です。
それでは、今回はこれにて!

 

 

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