Chicago Blog

国内唯一の無可動実銃と古式銃の専門店。
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2017.06.17 Saturday

Mauthausen-Nebenlager KZ Loibl Nord 強制収容所

まいど!  オーストリア⇄ドイツの国境検査で大渋滞に巻き込まれ、危うく飛行機に乗り遅れそうになったシカゴ社長でございます!!

 

今日はスイスからイタリア経由でオーストリアまで約800kmの道程です。 スイス・アルプスの宿があまりにも快適だったので、朝食 昼御飯も食べてしまいました!

 

アルプスの山々を見ながら食べる朝食はサイコー!

 

スイスのChairbertと言う会社が作っているロッキング・チェア/ベッド、これに揺られていると時間の過ぎるのも忘れ…。 注文しようか! と思いましたが、調べたら€1,700(約20万円)もするので諦めました(涙)。

 

日本とスカイプでミーティングやら何やらしているとお昼の時間になってしまいました。 これから美食の国イタリアへ行くのになんと誘惑に負けてスイスでアルプス風マカロニ(なんじゃそりゃ?!)をいただきました。 ←よりによってパスタ…、美味しかったのでスイスで食べようがイタリアで食べようか関係ありませんが…。

 

マッターホルンの近くを通ったのですが、これがスキーに狂ってた10年前だったら夏スキーが出来ないかと悩みながら運転していたはずです。

 

今回の出張で学んだのはイタリアの高速道路にあるサービス・エリアの食事が最悪な事。 6時間以上もイタリアの高速道路を走っていて、その間5-6回サービス・エリアのレストランをチェックしましたが、どこもガラガラ…。 もう日も暮れかかった頃、国境を越えオーストリアに入ってすぐのサービス・エリアにあるレストランで夕食を取りました。 オーストリアのサービス・エリアでの食事は当たり外れはあまりありませんよ!

 

今晩はイタリア国境から20分程のシカゴの定宿に宿泊。 ここにはシカゴ・スタッフは結構泊まっていますね。

 

スロベニアとオーストリアの国境近くを通る裏道でオーストリア物流倉庫までドライブしていると、明らかにドイツ語ではない(イヤイヤどう見ても下の文字はスロベニア語でしょ!)村の看板が!!  お店の表示もドイツ語と違うぅぅぅぅぅぅぅぅう!

 

やべェー、知らないうちにスロベニアに入ってしまったよー!  スロベニアの銃器の法律を調べていなかったので、今車に積んでいる商品がこの国ではライセンスがいるんじゃないかとすんごく心配になってきました…、が。 どうやらここはオーストリア側でスロベニア語話者が多い地域だという事が判り一安心。

 

無事にオーストリアの物流倉庫に着いてお客様からのリクエストがあった品をチェック。 前回見たMSG90は一般的なリーフパターンの迷彩柄でしたが「これは冬季迷彩じゃないの? 」って感じの微妙な迷彩。

 

でもこちらの方が実用的かも、銃の表面の凹凸が殆ど(シカゴ社長調べ)判りません。 今回の物流倉庫での仕事は「オーストリアに加工工場を作れるか」って事の下調べ。 以外とあっさりと話が決まってしまいました。 実際には来年の夏以降の話ですが、こんな面倒な話は早い方が安心ですからね。 そして第3のビジネスのサンプルの調達も完了、社外秘なのでお客様に話せないのが残念でござる!!

 

前々から気になっていたオーストリアとスロベニアを結ぶトンネル脇の小さなモニュメント。 トンネルが国境になっておりいつもはソワソワと通過していたので今回はじっくりと見てみました。 説明書きに「KZ」って文字がある…。

 

「KZ」とはドイツ語のKonzentrationslager(強制収容所)の略で、一般的に「カーツェット」と言えばドイツ人なら誰でも知っている負の略語なんです。 ここはなんとロイブル北強制収容所(独: KZ Loibl Nord、英: Loibl Concentration Camp North)があった場所だった…。 強制収容所というとポーランドのアウシュビッツ、ドイツのダッハウのイメージが大きいですがオーストリアにもマウトハウゼンという極悪強制収容所(Mauthausen Konzentrationslager)がありました。  ここロイブル収容所には1943年から1945年までマウトハウゼン収容所からトンネル工事のためにフランスの政治犯を中心にヨーロッパ各国の1,000人以上の囚人が連れてこられたそうです。  トンネルなので強制収容所は山を挟んで南北の2箇所両側にあり南側のスロベニアと北側のオーストリア(ここ)に分けられていました。  スロベニア側では早くも1950年代に周囲の山を模した追悼碑や当時の建物の一部を残して後世に悲惨な過去を伝えようとしていますが、ここオーストリア側は小さな追悼碑があるだけです。 

 

驚いたのはユーゴスラビア(当時)とオーストリアを結ぶこのトンネルは多くの犠牲者を出して完成させたのにも拘らず、終戦後少し経ってから1967年まで閉鎖されていたことです。 またこの収容所はオーストリアではまったく忘れ去られていた事実にも驚きました。 オーストリア国民が強制収容所の被害者ではなかったこと、収容所を作ったドイツとは別の独立国になったことがオーストリアの歴史から抹消された理由かも知れません。 当時は東側だったユーゴスラビアとの交通網はそれほど必要ではなかったこともありますが、今自由に簡単に行き来できる身近なトンネルなだけに驚きを隠せません。 また終戦後の混乱の中で、パルチザンから自分たちを守るためにはトンネルは不必要なものだったのでしょう。 トンネルは残りましたが北収容所の痕跡は完全に消されてしまい、収容所の存在が新たに明らかになったのはなんと1995年以降のことで、この石碑は最大の犠牲者が出たフランスが作ったものらしいです。

 

ここはヒムラーの作った絶滅収容所(Vernichtungslager)ではなく労働力を必要とした収容所だった事もあり犠牲者は比較的少なかったと言われています。 今では想像の出来ない風光明媚な場所でもこのような写真の光景が実際にあったとは…。 僅か70数年前の知られざる真実を(特に日本人でこの事実を知る人は少ないでしょう)シカゴ・ブログを読まれる大勢の方に知ってもらいたいです。 囚人は労働力として必要なので、この地では無用な殺戮が少なかったと思いたいです。

 

トンネルは僅か5分弱ほどの短い距離で囚人達が亡くなった事を考える時間もなく通り過ぎてしまいます。 今回トンネルを通ってスロベニア側に行ったのですが日も暮れだしたので南収容所へ行くのは断念。 ←車に積んでいた商品は全てオーストリア側の倉庫で降ろしているのでスロベニアに入っても問題なしです。

 

 

帰りにこれまたいつも行くオーストリア側のレストランで夕食。 「いつも同じ料理」か「何者か正体が判っているもの」しか注文しないので、スタッフ・キートン氏みたいなブログネタ的な料理が出てこないチキンなシカゴ社長です。

 

キートン氏の食べ物ネタ(アメリカ編)はこちら

キートン氏の食べ物ネタ(オーストリア編)はこちら

キートン氏の食べ物ネタ(ドイツ編)はこちら

 

夏場のシカゴの定宿となりつつあるホテルで一泊。 ここのスタッフはフレンドリーで本当に素晴らしい…。最後は大阪店スタッフのキヨミズ氏と泊まった所ですね。

 

翌朝ホテルで朝食を取ってゆっくりとテラスでコーヒーを飲む。 ここは山があるけどアドリア海からも約150kmと南国のような太陽の日差しが強い場所です。 こんな素晴らしい明るい場所から10kmも離れていない場所で昨日の…。 ←そんな事を考えていたら終戦直後のパルチザンによる大屠殺があった地域にも近いし…、もう考えまい!

 

夕方ドイツまでレンタカーを返却(レンタカーは借りた国で返すのが原則)に行って、またオーストリア側のザルツブルクにタクシーで戻ってからロンドンに向けて出発。 全てが順調で余裕を持ってのスケジュールのハズでしたが…。 ザルツブルクとドイツ側のフライラッシング(レンタカー返却場所)の街は川で隔たれておりオーストリア⇄ドイツの国境を行き来できるのは橋が一本だけ。 いつもはそれほど混まない(ちょっと前まではフリーパス、車で10分位)国境なのに、今回はテロの影響か緊急事態ぽい臨時の国境検査で大渋滞に巻き込まれて二時間も足止めになってしまいました。 もう殆ど「飛行機には乗り遅れるだろう…」と覚悟を決めた時にタクシーの運ちゃんの腕のお陰で裏道、裏道、裏道を通って無事に空港に到着、奇跡です。

 

ザルツブルク空港の滑走路にポツンと自転車が…。 先ほどの大渋滞が夢のようなノンビリとした空港、ザルツブルクは有名な割には日本の地方空港より素朴。 これからテロがあるかもしれない魔の都市ロンドンへ。 仕事やから仕方がないか…。

 

本日のワンポイント情報!!

下取りで、下記の無可動実銃3挺 が東京店に入荷致しました。

オーストラリア FAL L1A1を除き、HPとDetailed Photos(詳細画像)は完成しております。

 

Kbk AKML 自動小銃 は暗視スコープ付きでお値打ち価格となっておりますので、ぜひHPをご覧ください。他の2挺はご予約を頂いているお客様がおられますが、キャンセル待ちもお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 

Kbk AKML 自動小銃 (NSP-2暗視装置付)(25万円、税別)

M4A1 カービン (LEI製)(60万円、税別)

オーストラリア FAL L1A1 自動小銃(価格調整中)

 


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