Chicago Blog

国内唯一の無可動実銃と古式銃の専門店。
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2018.04.01 Sunday

たたえよ!九〇式鉄カブト!

皆様こんばんは花粉症のピークは過ぎた・・・と安心していたらまた花粉症の再来襲を受けたナベです。

 

本日はこちら九〇式鉄帽です。 このヘルメットは1930年(昭和5年)に制式となり15年後の敗戦まで日本陸海軍の主力ヘルメットとして使用されました。 また質の良いクロムモリブデン鋼製でデザイン的にも優れたヘルメットでもありました。 戦後も東南アジアの国々や中国軍、日本の警察も再塗装した九〇式を使用しました(浅間山荘事件など)。 

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独特の国防色も大変良く残っています(プラモデルの日本兵の鉄帽を塗る時、カーキ色だけでは変、オリーブドラブ色ではない、カーキ色にレッドブラウン色を混ぜてもなんか違う・・・という個人的にとても難儀な色)。 上から見ると換気用の小穴や頭頂部の微妙な出っ張りがみえますね。

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と、それだけでしたら極普通の程度の良い九〇式の小号で終わってしまうのですが今回の鉄帽には難点と言うか特徴と言おうか、思いっきり目立つ点があります。 それがこちらの被弾痕です、7・92mm弾でも当たったのでしょうか?ビシッと当たって凹んで鉄帽が割れています・・・が貫通はしていません。

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牛革製の内張りには見難いですが安武少佐の文字が確認できます。

1937年8月上海近郊の呉淞。 敵前上陸した日本軍はドイツ軍顧問団による指導のもと中国国民党軍が守備する堅固な要塞線を突破できずにいた。 膠着する事態を打開すべく少数の工兵を率い安武少佐は果敢にも重機関銃を擁する敵トーチカへ接近、爆破筒を使った肉迫攻撃を行う「ドーン!」という炸裂音と共に敵トーチカは沈黙。 塹壕の中、任務を果たした安武少佐は安堵の溜息と共に背を伸ばしホマレをくゆらせる・・・。 その時、国民党軍狙撃兵の放った銃弾が安武少佐の頭部に命中! 慌てて駆け寄る部下! しかし安武少佐はムクリと起き上がり鉄帽を外し被弾痕を見ながら「鉄帽がなければ即死だった・・・ご利益があったな・・・」と独りごちるのであった・・・(※完全にナベの妄想です悪しからず)。

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無理に受け止めようとせず、あえて割れることにより衝撃を吸収して被っている人の頭部を保護する。という通説を実証していますね、この鉄帽を被っていたと思われる安武少佐も無事だったと思われます。 右側にも筆?で安武少佐の文字が確認できます。

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大雑把にペイントで大とか小に筆で書かれているものが多いのですが、この鉄帽は浅めに小と刻印した窪みに白くペイントしてあるようです。

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内張りの裏にはクッションがそれぞれあり、中には小袋が入っています(白綿が入っているケースもあるようです)。 一つ目の小袋はカラッポ、二つ目の小袋には藁?が入っていました、そして最後の三つ目にはなんと・・・

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小さなお守りが5点も入っていました(マジか)紅葉八幡宮、宮地嶽神社、霧島神宮、筥崎宮、大宰府天満宮のお守りです。 鹿児島の霧島神宮以外は福岡にありますので安武少佐なる人物は福岡県出身だったのでしょうか? 安武少佐の鉄帽も貫通せずに済んだのはこれらの御守りのご利益だったのでしょうか?なにかアリガタイですね〜。

 

割れてしまって用廃となってしまった貸与品の鉄帽を少佐が頼んで記念品として持ち帰ったのかな?などなど、なかなか妄想を書きたてられる九〇式でございました。

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御守り付き霊験あらたかな?九〇式鉄帽はこちら(早速販売済みとなりました。ありがとうございました。)

 

本日のワンポイント情報!!

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