Chicago Blog

国内唯一の無可動実銃と古式銃の専門店。
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2017.12.03 Sunday

和蘭製 M1815/41 管打式小銃と高島秋帆

皆様こんばんは、年末調整を見るたびに「去年ってどう書いたっけ?」を毎年毎年毎年〜エンドレスに自問するナベでございます。

 

本日はこちら故あって大阪店へやって来た登録証付き「オランダ製 M1815/41 管打式小銃」でございます。

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この管打式小銃の生誕地オランダは江戸期には長崎の出島を通じて日本が表向き交易した数少ない国でした(琉球、蝦夷、対馬での密貿・・・交易もあったようですが)。 そして江戸後期、お隣の強大と思ってた清国がイギリスやフランスにあっさりボコボコにされる事態が発生、日本は「ヤバイ国防強化しないとマジヤバイ!」と国防意識に突如目覚めて、一番近くに居て気心の知れた西欧列強国オランダ(結構以前にイギリスに蹴落とされて列強?でしたが)に西欧兵学を学ぶことになりました。

 

そしてそのオランダから最も頑張って学び、軍事技術を上手く吸収し咀嚼したのが下の写真の高島秋帆さんでした。 彼は砲術やオランダ語をマスターし「高島流砲術」を完成させ、門下には佐賀藩藩主鍋島茂義や幕府代官江川英龍なども入門しました。

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また三十年式歩兵銃(アリサカライフル)を開発したり、旅順要塞攻略のために重砲の運用を提言したりと日露戦争時に大活躍した有坂成章のお父さんも高島秋帆の門人でした。

 

秋帆は門人たちと1841年に東京都板橋区高島平で洋式砲術と洋式銃陣の総合火力演習を実施、大成功を収めました。 幕府老中阿部正弘からも絶賛され正に時の人となりましたが、その成功を妬む人々のジェラシーの集中砲火を浴びて失脚、武蔵国岡部藩お預かり幽閉されてしまいました・・・。

Takashima_Shuhan_gunnery_demonstration_1841.jpg

 

今回の秋帆が高島平で使ったと思われる銃とほぼ同形式(そりゃ師匠のオランダから買いますよネ)と考えられるのオランダ製管打式小銃には銃床に円形の刻印があり「A・MAASTRICHT(オランダのマーストリヒト) P・STEVENS 1857(年)」と打刻されています。 ペリーが来航した4年後ですね。

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見難いですが銃身には壬申刻印の「千百七十五」横には「入間縣」と入って、ストックの裏には黒漆で?「二百六十八〇〇?」と書かれています。

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高島秋帆が講義や演習で使用した大砲や銃器の多くはなんと!自費で購入したそうです。 ひょっとして金額的には当時のオランダから購入するより今のシカゴで買った方が安かったのかも?真鍮製のフロントサイトが御洒落

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ハンマーがコック出来、作動を楽しめるのは登録証古式銃の醍醐味ですね。

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秋帆先生のその後ですが長らく幽閉状態だったものの、黒船来航の動乱ため再びスポットライトが当たり表舞台へ復帰しました。 攘夷じゃ!異国船打払うべし!の世の中でも先を見通し開国・通商を主張、幕府の講武所師範を務めましたが明治の世を見る事無く1866年に69歳で亡くなりました。 このタイプの管打式小銃(ゲベール)は幕末に於いては時代遅れの旧式銃でしたが秋帆などのパイオニアたちを育てた銃と考えるとまた違った見方ができますね。

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見て楽しい、動かして楽しい登録証付きオランダ製 M1815/41 管打式小銃はこちら

 

本日のツーポイント情報!!

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この機会にぜひご覧ください。

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