クラウン・ヒル要塞
まいど! 社長です!!
月曜日に英国中部の倉庫(コンテナ)の整理を早々に終わらせて、英国南西部のDevon地方という風光明媚な場所までコンテナの荷物を目一杯レンタカーに積んで半日以上かけて行きました。
スティーブの新しい工場があるPlymouthの「ある場所」に着いたのは雨の夜中。 私の前は大きな門で閉ざされていました。
実は私がここに来たのは今日が始めてで「なんじゃ! ここは…!!」って思いました。 「聞いていたより、凄い!」それが私の正直な感想です。
新しい工場と言うよりも、パートナーを一人増やして新しい会社を始めました。
その名も「North Coast Armouries Ltd.(北海岸兵器商とでも訳しましょうか)」、やっと堂々と武器業者と名乗れます。
それまでは「Vickers Sporting Services Ltd.」なんて「スポーツ関係のビジネス?」って思われる名前でした。
実際無可動のビジネスを説明するのが面倒なときは「ショットガンとかの修理をしているんですよ」なんて誤魔化していたもんなぁ〜!
「なぜ正々堂々と名乗れるようになったの?」
それはこの場所のお陰です。
なんと1860年代に建設された「大英帝国の陸軍要塞」の「Crownhill Fort (クラウン・ヒル要塞)」の中だからです。
この要塞はナポレオン三世による英国侵攻に備えて、Plymouth軍港の防御の為に作られました。 第一次大戦中は徴兵所兼アフリカ、トルコ方面軍の派遣拠点として、第二次大戦中は高射砲陣地として使用され、その後1983年までは第59ロイヤル・コマンド独立工兵大隊の基地として使用されました。 フォークランド紛争時にも多くの兵員と物資を戦地に送ったと言うバリバリの元陸軍基地です。
詳しくはhttp://en.wikipedia.org/wiki/Crownhill_Fort
English Heritage (イングリッシュ・ヘリテッジ: 英国歴史的建造物保護協会)に登録されています。
英国人なら誰でも知っている保護協会で知名度は全く違っていますが、ストーンヘンジなども含まれています。
この要塞の中になんと私も小さいですが事務所と倉庫(車庫)を借りることが出来ました。
見え難いですが写真中央の人が写っている所に私の事務所へ行く階段があります。 その右隣が英国在郷軍人協会事務所。
私の事務所は昔は上級軍曹の宿舎(Sergeant Quarter)で小さいながらも暖炉もあって意外に快適そうです。
日本で言う北海道の五稜郭のような場所の中に外国人が部屋を借りれるなんて考えられませんよね。 おまけにお隣は英国在郷軍人協会。 日本人って60年前の敵国人ですよね????
夜中も使いたかったので交渉して、ホンマ粘って、粘って何とか24時間使えるようになりました。 と言うことは泊まってもOKって解釈したので、なんと借りた初日から宿泊しました。
スティーブ達からは「よく一人で古い要塞なんかに泊まるなぁ!?」って言われたけど、私は恐怖心という神経が一本抜けているようですね。 怖いよりも好奇心が先にたつ性格で・・・。
ドイツではSS長官ヒムラーの城「SS黒魔術の城」とも呼ばれているヴェヴェルスブルク城の地下牢だった部屋に城全体でたった一人で泊まったことも…。
石段を上がった中二階の部屋です。 赤レンガの上から白いペンキを塗った一部が剥がれ、アンティークな朱色の重厚なドアに窓枠に嵌められた軍隊らしい鉄格子。 そのコンビネーションが何とも言いようのないクラッシィカルな雰囲気があってとても気に入っています。 この写真は二階から撮りました。 その二階には武器屋に相応しいものが…。(←これは、また明日)
内部も赤レンガに白ペンキを塗った内装で、こちらは綺麗に塗り直されています。 元々は年に数回要塞で行われるイベント用品を収納する部屋のようで、私が最初に部屋へ入った時にはSMLE No.1 ライフルや色々な武器が置いてありました。
暖炉の中で見つけたGew.98のロング・バイオネット。 「シカゴで売ったらいくらやろ?」なんて考えてはダメですね。
暖炉には灰をかき混ぜる為にドイツ軍のGew.98のロング・バイオネットを使っているところなんか、武器屋の私に相応しい部屋です。
トイレも昔のまま。 昼間でも不気味なのに夜一人で行くなんて、今からワクワクです。 そこら中に色んな時代の大砲があります。 なので、この広い中庭では機関銃を担いで歩いていても誰も何とも言いません。
トイレの中の設備は一応新しくはなっていますが・・・。
要塞の探検記また明日…。