Chicago Blog

国内唯一の無可動実銃と古式銃の専門店。
スタッフの日記や元フランス外人部隊の声、新入荷の情報などの各種おしらせ、在庫状況など、リアルタイムにお知らせします。

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2010.07.31 Saturday

オイラーはもっと好きです

 こんばんは、スタッフDです。

先日、スタッフA氏がビッカースのクリノメーターをご紹介させて頂きましたが、今日は私がそれに便乗して、素敵な形状のオイラーのご紹介です。
A氏と違い、前職の経験が生きてるわけでは無いのですが、このレトロな雰囲気の形状が、非常に興味深いものがあります。


個人的に、銃のアクセサリで一番興味があるのがオイラーなのですが、このオイラーは群を抜いてますね。
見た目は完全に如雨露です。


わずかに見える内部機構。
取っ手の手前にあるボタンを押す事によって、ノズルからオイルがダバーッと垂れ流しになるのを防ぐのではないでしょうか。


大きく育てよぉ」の図です。
重機関銃をこれ以上育ててどうするんだ、と言われそうですが、どう見てもメンテ中の絵ではないですね。

なんとなく、磨くと願い事を3つ叶えてくれる妖精が出てきてくれそうな形状のオイラー、ミリタリーっぽくないですが、意外な一面を垣間見える一品となってると思います。

お手持ちのビッカースに添えるもよし! 庭の花に水をあげるも良し! 如何でしょうか!?



今日のワンポイント情報!
ZB30J(旧加工)が買取で入荷しました。
詳細は近日中にHPにUPします。


2010.07.30 Friday

計測器も好きです

こんばんはスタッフAです。

前回元々の工具好きという話をさせて頂きましたが、その昔工事関係の仕事をしていた事もありまして、その為(?)ただの工具好きからさらに磨きがかかってしまった様です。

そんな訳で今回もそんな視点からご紹介する品が「ビッカース機関銃 クリノ・メーター」です。
vic.JPG


何をする物かといえば用途は只一つ、銃の前後の傾きを計測するものです。
vic (1).JPG

上部には工事現場等でもよく使われる「気泡管水準器」がありまだまだ立派に作動します。
vic (2).JPG

右側の赤線が0〜10の目盛り分です、これが60目盛りまでで一回転し左の赤線一目盛り分になるのでかなり細かく調整が出来る様です。
vic (5).JPG

しかし取り付けはカンタン、写真の様にレシーバーの上に乗せるだけです。
vic (4).JPG

裏側です。

vic (3).JPG
そしてまた刻印部分、なんと1941年製との事です。本体は真鍮製の様でなんともいいアンティークな味も出ています。

限定1品!お手持ちのビッカースに乗せるもよし!ペーパー・ウェイトにするもよし!如何でしょうか!?


本日のワンポイント情報!
先日買取入荷のビッカースMk-1重機関銃の詳細画像をHPにUP致しました。
価格調整中ですが、ご予約はお受け出来ますので、ぜひご検討下さいませ。


2010.07.29 Thursday

スタッフDの、ちょっとお客様が気になった銃

 こんばんは、スタッフDです。

本日は、お客様からのリクエストにお応えし、SIG MP48について取り上げてみたいと思います。
日頃、あまり話題に上らない銃ですが、手に取って、写真を撮って判る面白さを実感しました。
どちらかと言うと、ユニークな部類に入るMP48の、面白さを少しでもお伝え出来れば…。


まず、全景です。
なんとなく、ずんぐりむっくりとした体型、とても他人とは思えません。


ボディは木製なのですが、左右共に内部に滑り込むバットストックや、同じく木製のグリップなど、なんとなく手が込んでる印象を受けます。
他の短機関銃と並べてみても、なんか違和感を拭えません。
デフォルメされた感じ、と言うと伝わり易いでしょうか…。


マガジン周りには、2つのスイッチ。
まず、ここでマガジンの脱着を行います。
なんか、スイッチの真上あたりの形状が気になりますね…。


そうです、この銃、マガジンを折り畳めるのです。
折り畳みに使うのは、こちらのスイッチ。
折り畳み用のスイッチの方が大きく、目立つ場所にあるので、「ああっ! マガジンの交換をするつもりが間違って畳んじゃったよ!」と言うボケを戦場でやってしまった兵士がいたかも知れません。
今回の撮影中、私はやりました。
紛らわしすぎです。


バットストックの折り畳み(差込み)は、この小さなボタンを押して行います。
逆に、目立たなすぎです。


そして、衝撃的な形状のコッキングハンドル。
軸に球が嵌ってるのですが、この球が回転します。
絶対、握力が足りなくて、ハンドルを引きたいのに球が回っちゃうから引けない、と言う兵士がいたと想像します。
で、この形状、そして回る球、どこかで見た事あるなー、と思ってたら…、


ゲームセンターの筐体に付いてる方向レバーですね(波○拳とか出せそうです)。
あれも球の部分が回転するのですが、某格闘ゲームで対戦中に、球が外れて転がっていってしまった経験があります。
さすがに、この球が外れる事は無いと信じたいですが、短い棒だけになったコッキングハンドルは引きにくそうですね…。


さて、お届けしましたMP48でしたが、いかがでしたでしょうか?
なかなかブログなどで取り上げる機会がないけど、あの銃の詳細を見てみたいなどのリクエストがございましたら、お気軽にお問合せください。

SIG MP48短機関銃(一品物)の詳細は、こちらです。
http://www.regimentals.jp/detail_gun.php?id=245

今日のワンポイント情報!
ビッカースMk-1重機関銃(旧加工、三脚用木箱付き)が買取で入荷しました。
近日中に、HPにUPします。


2010.07.28 Wednesday

折り畳む銃床 「ドラグノフ Tigr」

どーも、ケンです。

近代から現代において、狙撃銃もできるだけ小さくしたい、という要望はあるようです。

特に空挺部隊内の援護狙撃兵ならば皆と一緒に降下。
するとあの長い銃はやはり邪魔・・・というところでしょうか?

ただし狙撃銃の場合、ガシっという剛性がほしいところでしょうから、ストックとはいえ、動く部分を増やすのは冒険です。
ヒンジ部は、最初はタイトでもある程度使うとガタが発生しがち。
それがわずかでも、構えて、「固定ストックと比べて、ちょっとヒンジ部のガタがやっぱり落ち着かないな・・・」というのは実用的にもさることながら、精神衛生上もよくないでしょう。特に狙撃はそういうところが神経質。
だから畳めることと、剛性を出すことの両立が求められるようです。
まあでも・・・難しいですよね。

ですから当初は「狙撃銃に折り畳みストックなんてナンセンスだ」とか言われていましたが・・・
時代が進むにつれ、1挺、また1挺と種類はまだまだ少ないですが、折り畳みストック式の狙撃銃も増えつつあります。

そんなわけでドラグノフ Tigr。

ドラグノフ+1.jpg

別に折り畳みver.だからハンドガードもブラックのポリマーというわけではなく・・・ある時期以降のドラグノフは固定のノーマルver.もみんなブラックポリマーです。

さて展開はシンプルです。特に特徴があるわけでは無いのですが・・・
固いです・・・鬼のように固い。
不思議なもので慣れるとできるようになるものですが、慣れないうちは・・・これなんかが引っかかってるんじゃないか?と思うくらい固い。
ロシア系の銃の場合、ある程度使い込んでからちょうどよくなる、という傾向があるので・・・あるいはこれもその傾向かも知れません。そして狙撃銃なんで余計固いという。

まずはこのロックボタンを押して下さい。
ドラグノフ+展開1.jpg
・・・やはり固いです。

ヒンジも固いですね。
ドラグノフ+展開2.jpg
っていうか、ヒンジが一番固いかも。

基部のロックは頼もしく固い。
ドラグノフ+展開3.jpg
現場では一度ストックを開いたら帰るまで閉じないでしょうからこれで良いのです。

畳むときは・・・
74とかと同じロックで、74も固い方ですが、より固い感じ。
ドラグノフ+畳み1.jpg
やはり狙撃銃だから?
しかしね・・・指に跡がつくほど・・・
空手の達人大山倍達総帥は「体調が完全でないと指で10円玉曲げはできない」と言われていましたが・・・
この銃床も体調悪いときは折り畳みができないかも・・・

ドラグノフ+畳み2.jpg

あとはロックがかかるまで押し込むだけ。
ドラグノフ+畳み3.jpg

当たり前と言われそうですが、スコープ付けた状態でもストックの展開には全く支障なし。

ついでに言うと、畳んだ状態でのロックボタン
ドラグノフ+レバー.jpg
実はチークパッドの角度調整も兼ねています。

ドラグノフ+チーク.jpg

ドラグノフ+チーク2.jpg
チークパッドの角度調整は木製銃床のドラグノフには無い機能ですね。

他にも細かい部分を言うとTigrはハイダー形状が違います。
一説ではサイレンサーを取り付けやすいようにしたとか・・・
ドラグノフ+ハイダー.jpg

そして実はセイフティとか分解ラッチの形状も微妙に違うのです。
ドラグノフ+セレクター.jpg


それにしても銃身が長いだけあって、畳んだ姿は見慣れぬ・・・というか異様でさえあります。
ドラグノフ+2.jpg

さて、銃を短くする方法としては他にもあって、機関部を2分割するなんていう荒業もあります。
一応、銃身と薬室は一体で前部、残りの機関部とストックを後部としてブレイクアウトできる。
スコープマウントも前部につけるようにすれば・・・一応の精度は保たれる考え方もできますが・・・それはあくまで理論上。実際には色々問題が発生します。
スコープマウントにいたっては後部に付く仕様が多いですし。

というわけでこの方法だと狙撃銃としては精度が出せなくなる(最初は出せても、徐々に劣化)、あるいは組み立ての度にスコープゼロインしなおさないといけない・・・
なので、今のところ狙撃銃としてはあまり実践的とはいえないという。
それでもこのような2分割ライフルって意外に存在するんですよね。

もう1つ、ブルパップ化するという方法があって・・・これはドラグノフでもすでにあるようですね。

実際の画像が無いので、以前海外サイトで見たときの記憶を頼りにした合成です。
ドラグノフ+ブルパップ.jpg
こーんなやつ。
※これほしいですと言っても在庫無いですし、詳細部は色々違っているはずです。あくまで合成画像(笑)

グリップとトリガーシステムの移行、機関部の最後尾をまんまストックにする(ストック部は合成画像とは形状が違っていたような・・・)というのは通常のブルパップとあまり変わらず。
けれどスコープ位置。AK系特有のサイドマウントをまんま前方に移動したような感じですが・・・まさかハンドガードにマウントつけるわけが無いと思うので・・・一体どうなっているのでしょう?反対側の写真が見たいですね。

しかしモシンナガン弾を使用するブルパップ・・・万が一のときは怖い気もします。
AK系はトラブルの際にフィードカバーが飛ぶというのがお決まりで・・・それがAK47などより威力の高いモシンナガン弾であったなら・・・

そこまででなくとも・・・ブルパップのお決まりで・・・難聴になりやすそうですけど・・・

しかしながら、このデザインはなんとも言えない面白いカタチをしています。いつか弊社にも入荷するのでしょうか?


本日のワンポイント情報!!
買取でMG34とその付属品が入荷しました。 HPに詳細をアップしてありますのでご覧下さい。


2010.07.27 Tuesday

22LR 「ピエッタ PPS/50」

どーも、ケンです。

ちょっと前にやった22LRの銃の話です。

22LRはプロの方々も好むと書きましたが・・・
その理由の最大点は
「世界中で手に入りやすい弾」
という点があります。

現代の紛争地ではAKの弾が手に入りやすいと思いますが、そうではない平時下の国では22LRが手に入りやすい、みたいな。
だって、この日本でさえ、22LRなら競技用として存在しているわけですから。
※大藪春彦氏の小説なんかでよくあるシチュエーションですね。

さらに発砲時もコントロールがしやすく、連射も容易。当然命中率も良好。
実はストッピングパワーと貫通力もあなどれません。
一般警官レベルの38口径や9mmより、熟練した暗殺者の22口径の方が怖いとか。

消音装置を使った際もその効果は抜群。下手するとお手製のサイレンサーでもかなりの効果が期待できてしまいます。

もっとも弱装弾には変わりないため、狙いどころにコツがありますが・・・それは物騒な話になるのでここではやめましょう。

そんな理由から、海外で一般的に22LRのプリンキングガンと言われているものでも、
実は公的機関からの依頼が元になって設計されたものや、
あるいは「これなら公的機関が買ってくれるだろう」とあてこんで設計されたものもあったりするらしいです。

そういう銃は長物で言うとだいたいフルオートができるver.があって、
銃身が容易にサイレンサー取り付けられそうな形状をしていたり、
ストックを畳めるようになっていたり、あるいはストックを容易に外せるようになっていたり、
それでいて一見見た目が民間用っぽいカタチをしていれば完璧。

とまあ、ここの部分はそういう話もあるくらいに読んで下さい。

さてさて、そんな前フリをしたにも関わらず、今回はそういう殺しのライセンス的な銃ではなく・・・
イタリアのミリタリーコピー系プリンキングガンです。

前回お話した通り、イタリアでは法律上22LRと32ACPに関しては法律が緩やかなため、
実際、資本は町工場レベルだけど・・・こういった小口径を作って、アメリカなんかで大儲け!
そしてアメリカではそれなりに有名・・・というメーカーは存外に多いのです。

ピエッタ PPS/50
ピエッタ+2.jpg

見ておわかりのように、PPSh41のコピー。

でも実は中身はAR7を流用と。
ピエッタ+薬室.jpg
コッキングハンドルやエジェクションポートの辺り、
最初見たとき
「AR7みたい・・・22LRで設計すると、みんなこんな風になるのかな?」
と思ったくらいですから。

というわけで基本セミオートです。

しかしPPSh41のコピーですから、マガジンはドラム。50発も入ります。
さぞかし撃ち応えありそう・・・

構造は本家より単純。
ピエッタ+弾装.jpg
ゼンマイでテンションかけているだけなので、ゼンマイを先や後に巻く必要は無く、リップからそのまま弾を次々込めていくだけ。
ピエッタ+弾装2.jpg
22LRだからこそ、でしょうか。

ここだけ見るとなにかのギアみたいです。
ピエッタ+弾装3.jpg

刻印ですが・・・
如何にもミリタリーコピー系な内容です。
ピエッタ+文字2.jpg
特にアメリカなどではこの手のミリタリーコピープリンキングガンは大人のトイ(いやらしい意味ではなく)的感覚があるようですね。

上面の刻印は平たく言うと「使用上の注意をよく読んでご使用下さい」みたいな感じです。
ピエッタ+文字.jpg


いかがでしたでしょうか?
ピエッタ+1.jpg

民間用ということもあって、改めて見るとなかなか美しい銃です。
弊社ではこういう銃を
「昔アメリカで暮らしていたころに撃たせてもらったので好きになった。」
とか
「アメリカにいた頃の思い出」
みたいに買っていかれる方がいますね。



本日のワンポイント情報!!
MP40 短機関銃が買取で入荷しました。 近日中にHPへ詳細画像をアップします。


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