不二子ちゃんのホルスターではないけれど・・・
どーも、ケンです。
今回は「ブローニング M1910拳銃 ホルスター」です。
M1910のホルスターと言えば・・・あのM1910愛用の不二子ちゃんも使ったホルスター・・・
・・・嘘です。
騙される人は絶対いないと思いますが・・・昔、上司に絶対にわかるだろうというジョークの嘘をついたら、本気にされて他所で上司がそれをうんちくとして語り、恥をかいたと言われたことがあります。
まさに「聞きかじった知識を実践するな」by 後にビッグ・ボスになる方のスネーク
話が逸れました・・・
はい、旧軍ホルスターです。
今回は旧軍ホルスターを革作りの観点から見てみます。
マニア的視点は最近シカゴではマニアスタッフが多いのでそちらにお任せです。
旧軍のホルスターは複製品でも結構良いものが出回っていて、私も見たことがあります。
だが本物は・・・シカゴで初めて見ました(旧軍好きの友達はいなかったのです)。
旧軍のホルスターは他国に無い造りの面白さがあります。
比較するならばアメリカは一枚革の良さを生かしたシンプルな造りの良さ、ドイツは現代の革小物のように革の貼り合わせ(2枚を貼り合わせて両方を銀面:表にするなど)を多用したり・・・
そして旧軍はなんというか・・・如何にも日本の革細工・・・みたいな。
なんというか・・・極めて革職人っぽい造り。
特に蓋がね。特に立体なやつがね。
ここがこんもりしているでしょう?
画像だと難しいな・・・
これなら伝わりますか?
開けてもこんもり立体。
立体のやつはですね。木型とか作って、革を濡らして押し付けたりして立体にするのです。
すると革は濡れている間は柔らかくなるし、ある程度伸びます。で、乾くとその形を保つ。
そんな性質を利用しているわけですね。ウェットフォームと言います。
それを利用して旧軍ホルスターの一部で使われている立体の蓋があるわけです。弊社にも過去に在庫があった十四年式のホルスターの蓋などは正にウェットフォームに間違いありません。
だが今回のM1910はそこがちょっと変化球。ここが合わせになっています。
つまり角を切って、縫って折っている・・・
角です。
うむ・・・
ある程度型でウェットフォームしている節があるのですが・・・
このホルスターの蓋に限って言えば、ウェットフォームでは無いかも・・・
あるいは当初はウェットフォームだったのが、戦争でめんどくさくなってやめたかな?
でもこんなところをこんな革で縫って折るくらいならむしろウェットフォームの方が楽・・・(ぶっちゃけ型さえあれば私でもできます)
謎は尽きないのです。
ちなみに・・・蓋のここ。
こんな風にふちに別の薄い革貼って縫うのは・・・正に鞄の作り。
近代から現代ホルスターではあんまりやりません。
これを見ると・・・革職人だなぁ・・・と。
普通の革職人はやるけど、ホルスター屋は絶対やらない技術というのもあって・・・逆も然り・・・。
内部を開けるとマガジンポーチ付。
で、そのホックは最近ではとんと見ないタイプです。
凸側は現在あるホックと同じような感じですが、
凹側が違う。
四方に切れ目があるのがわかりますか?
私はあまり見たことがないホックです。位置付け的には普通のホックですけど。
現在だとホルスターならドットホック(大きいやつね)使いますから、こういう普通のホックはあまり馴染みがありません。
こういうホックは甘くなるので・・・実際、本品でもこのホックは甘くなって、留めの役割をほとんど果たしていません。
ホルスター内部の奥を良く見れば・・・クリーニングロッドが入るらしきパーツがあります。
だがしかし・・・こんなとこにそんなもん入れたら銃が傷つくだろう!と思う私は変態マニアです。
他、こういう真鍮の金具っていいですよねー。雰囲気ある。
こういう、周りを縫ってある部分は長年経つと、緑青などの腐蝕でボコッと取れたりしますが、本品では無事です。
蓋の謎以外で言うと、これも謎、弾を紙箱ごと収納するパウチ。
パウチ自体は普通にベルトに付けるらしいんですがね。
だがしかし、ここのベルトはなんぞ?
蓋が不用意に開かないように・・・かな?
この蓋がやはり普通のホックなんで、たぶん程無く緩くなったと思うのです。で、この蓋が不用意に開くと予備の弾を箱ごと無くしたり、バラバラと落としたりして正に死活問題になるので・・・付けたかな?と。
ともあれ旧軍M1910ホルスターでした。
袈裟帯が切れてるのが難点ですが、そこは如何にも時代を経て来た品ならではですね。
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