密林騎兵銃
今週末ぐらいには見頃を迎えそうですね、と天気予報の受け売りを書くキヨミズです。
夜桜を見に行く予定ですが、雨降りそうやな・・・
本日はこちら。少し前にお買取で入荷致しました、
画像、下から2つ目、SMLE No.5 Mk1 ジャングル・カービンでございます。
上のSMLE No.4 Mk1*より短く、その下の三八式騎兵銃とほぼ同寸。
大戦後期、イギリス空挺部隊の要請により作られた取回しが優先された短縮化モデルで、
No. 4 Mk Iに比べ、約11.5cm短く、約800g軽量として完成されました。
生産は1944年3月から行われ大戦末期の作戦や、マラヤ危機を始めとする戦後の
英植民地紛争にて使用されました。
使用弾薬は.303ブリティッシュのままで軽量・短縮化した事により、
命中精度の低下・反動の増加を招きましたが、密林地帯での作戦行動においては
メリットが上回り、前線からの評価は良好でした。
この頃の活躍により“ジャングル・カービン”の渾名がついたそうです。
バレルは約16cm程短くなりました。バレル短縮に伴い、増大した発射炎に対処するため
ラッパ型のフラッシュサプレッサーを装備。ハイダーは約4cmの長さがあります。
着剣装置と一体型となったフロントサイト。
形状はNo. 4 Mk Iに似ていますが、幅が狭くなっています。フラッシュサプレッサーが
付いた事により、従来の銃剣が使用できず、専用のナイフ型銃剣が採用されました。
そのため着剣装置の形状も独特の物となっています。
ストックも先台部分が切り詰められ、ハンドガードも一体となった短い物が装着。
フロントバンドも一箇所に改められ、軽量化に貢献しております。
機関部アップ。No. 4 Mk1と比べ基本的に変化はありませんが、
軽量化のために各部形状が微妙に薄く小さく変更されています。
旧加工のため残存部品が多いですね。状態も非常に良好です。
こんなところも削り込まれております。
反対側。こちらも一見して判る大きな違いはなさそうです。
刻印前方が削り込まれている?わずかに痩せています。
中央部の刻印を拡大しますと、
No5 Mk1 ROF(F)、4/45の文字が。
No5 Mk1 ファザカーリー王立兵器工廠、1945年(4月?)製造を示しております。
No.4 Mk1*で見られた簡易型ピープサイトではなく、伝統的な精密なラダーサイトを搭載。
銃身短縮化により最大レンジの目盛も800mまでとなっております。
後の改修かもしれませんが、簡易型ピープサイトを備えた個体もあるようです。
大きな特徴であるゴム製リコイルパッド。これで強烈な反動に対処します。
スリングループと一体となった金属製フレームに、分厚いゴムパッドがはまった構造です。
そのため、クリーニングキットを入れるコンパートメントは廃止され、
ケース入りのクリーニングキットが支給されました。
最後に同期の戦友、ステンMkVと揃っての一枚。
無可動として希少な機種であるジャングルカービン。
今回、お買取で入りました本個体は非常に状態の良い一丁です。
現在の所、ご売約済み(ありがとうございます!)となりましたが、
別の機会のお買取に備えましてのご予約は承っておりますので、お気軽にお申し付け下さい。
それでは今回はコレにて!